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バスケセンスを磨く。常識に捕らわれない柔軟な発想を身に付ける

【バスケセンスとは】

バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている(著者:小谷究、網野友雄)」では、バスケセンスを「バスケに関わる状況を判断し、適切な方法を発想し実行できる力」と定義しています。
感覚的(センス)な主観と、論理的な客観を結びつける感性工学によれば、「センスは情報量に比例する」そうです。
つまり、センスとは先天的(持って生まれた才能)な資質ではなく、後天的(育ってきた環境)に磨いていく要素となります。

【バスケセンスを磨くには】

バスケセンスを磨くには、シャワーのようにバスケの情報を浴びることが必要となります。
特に高品質、最先端の情報を積極的にインプットすること。
書籍でも、研修でも、トレーニングキャンプでもいいので、自ら情報を広げに行くこと。
インターネットだけでも、色々な動画・技術・知識を取得することが可能です。
今まで培っていた常識はスクラップ&ビルドしてください。

そして、インプットした情報をどんどんアウトプットすること。
「知識(インプット)と行動(アウトプット)は成功の為の両輪、どちらか一つでは前に進めない」という言葉があります。
どんなに有益な情報を大量に取得したとしても、実際に試してみないと、自分に合うのか?チームに合うのか?は分かりません。

アウトプット時に注意してほしいのは、時間がかかるということです。
ほとんどのことがすぐには自分の物にはならず、今までのやり方がやりやすく感じ、自分の技術として取り入れるのはなかなか難しいです。
何度も練習でアウトプットして、試合でも使って、自分の技術にしてみてください。

「1、今までの常識」と、「2、常識にとらわれないセンスのある発想」に対比する形で様々なプレイを紹介したいと思います。
今回は、冒頭でも紹介した書籍「バスケセンスが身につく88の発想」で扱われているテーマを中心に紹介していますが、内容や結論は個人的な意見ですので、書籍の見解とは異なっていることが多いです。

【ポジションごとに役割を分担する?】

参考:バスケセンスが身につく88の発想、P26ポジションレス
バスケットボールはポジションごとに明確な役割分担があります。
PGはボールを運び、ゲームメイクする。
SGは3Pを中心に点を取る。
SFは得点を中心にオールラウンドに活躍する
PFはリバウンドを取ってハイポスト付近でプレイする。
Cはディフェンスの要(リムプロテクター)となり、ローポスト付近でプレイをする。

〇ストレッチ4

ストレッチ4とはインサイド付近でプレイしていた4番プレイヤーがアウトサイドに広がる(ストレッチ)ことです。
最近ではストレッチ4(アウトサイドでプレイするPF)どころか、ストレッチ5まで登場しました。
4番5番ポジションが3Pシュートを身に付けたおかげで、アウトサイドに広がり、ファイブアウトの形が可能となりました。
ストレッチ4のおかげでGやFが積極的にペネトレイトできるようになりました。

サークル・ムーブ/circle move、渦の理論とは?バスケ用語

【サークル・ムーブ/circle move】

サークル・ムーブ/circle moveとは、ボールマンのドライブする方向に合わせて、同じ方向にオフボールマンが動くことで、ドライブのスペースを作ったり、合わせのパスを受けやすくなったりすることです。
直訳すると、サークル(circle)は「円、周囲」、ムーブ(move)は「動く」です。

【渦の理論】

ボールマンが右ドライブをした場合、左回りの渦が生まれていると想定すると、その渦に巻き込まれる形で合わせをすることから「渦の理論」という名前をつけました。円のように動くことから「サークルムーブ」と表現されることもあります。

引用元:NBAで凄いのはダンクだけ!?

「サークル・ムーブ」よりも「渦の理論」の方がしっくりきますね。

【合わせ】

ドライブに対してインサイドに合わせることを「ダイブ(飛び込む)」、アウトサイドに合わせることを「ドリフト(漂う)」と呼びます。
サークルムーブは主に、ドリフトを行うアウトサイドプレイヤーが行う動きとなります。

【サークル・ムーブの動き】

サークルムーブは、主にボールマンがドライブを仕掛けているボールサイド側のオフボールマンが該当します。


1番のドリブルに合わせて、2番がフレアカットの動きで、ドライブと同じ方向に広がります。
2番プレイヤーが広がってくれたおかげで、ディフェンス2番も広がり、ドライブのコースができ、そのままレイアップが可能となります。
また、ディフェンス2番と被らないように曲線的にオフェンス2番が動いてくれると、キックアウトからの3Pが狙えます。

同様にヘルプサイドの3番がドライブと同じ動きで空いたスペースを埋めます。(リプレイス)
キックアウトから放たれた2番のシュートが外れた場合も、3番が高い位置にリプレイスしてくれているので、セーフティの役目となります。

〇サークル・ムーブの反対に動いた場合

ボールマンのワンパスアウェイポジションがドライブの反対に進んだと仮定します。

まず、1番のドライブのコースにディフェンス2番が入ってしまうので、2番が不用意に近づくのは邪魔となります。
仮に2番にパスアウトしても、すぐにディフェンス2番が2番のシュートチェックに間に合ってしまいます。
DHO(ドリブル・ハンド・オフ)という手段があるので、絶対的な間違いはありませんが、無策で近づくのは避けた方がよいでしょう。

続いて3番がサークルムーブと反対に進んだ場合です。
1番と3番の距離が長くなるので、スキップパス気味になり、インターセプト(パスカット)の可能性が発生します。
仮に3番にパスが通っても、シュートをチェックすることはたやすくなります。
そして、セーフティポジションに人がいなくなるので、シュートミスからの速攻を狙われます。

〇ベースラインドライブ場合

オフボールマンの全員がサークルムーブに従って動くわけではありません。

例えば、2番がコーナーからベースラインドライブをしかけた際、1番はサークルムーブに従って、ウイングにおります。
1番がおりてきたおかげで、2のドライブが止まった場合も、1に戻すパスでターンオーバーを回避することができます。

逆サイドの3番は、サークルムーブに従ってトップにリプレイスするという選択肢も間違いではありません。…

ホット・ハンド/hot handって何?バスケ用語?誤謬(ごびゅう)か事実か?

【ホット・ハンド/hot hand】

ホット・ハンド/hot handとは、シュート(主にミドルや3Pなど)を連続して決めている状態のことです。
つまり、シュートタッチが好調な状態、流れが来ている状態を指します。

【ホットハンドは誤謬(ごびゅう)である】

ホットハンドは、一見ランダムな事象で成功を経験した人は、追加の試行においてさらに成功する可能性が高いと信じてしまうという誤謬(ごびゅう・論証過程に明らかな間違いがあり、論証全体が妥当でないこと)であると言われています。
つまり、「ホットハンドは、勘違いだ」という主張ですね。
ホットハンド現象などとも呼ばれています。

ホットハンドは、「前回のシュートが成功したプレイヤーは、次のシュートも成功する可能性が高いという主張」と定義されています。
それに対して、心理学者のエイモス・トベルスキーらは、データからホットハンドを見いだせず、「人間には結果が連続することを期待するバイアス(偏りを生じさせるもの)が存在」し、それがホットハンド現象を生んだ可能性があると結論づけました。

【ホットハンドは事実である】

2011年10月のヤッリらの論文で、ホットハンドは誤謬でなく事実であると結論づけました。
ヤッリらは、NBAの30万件以上のフリースローのデータを分析しました。
その結果、フリースローで1回目に成功した場合と失敗した場合で比較したところ、1回目の成功をした方が2回目での成功率も大きくなることも発見しました。
個人的には「NBAで二本連続で外すシーンはあまり見ないので、本当にデータが合っているのかな?」という疑惑もありますが・・・
いずれにせよ、ホット・ハンドはやっぱりちょっぴり存在すると、現在、考えられています。…