バスケ戦術」カテゴリーアーカイブ

フレアアクション(フレスクリーン&フレアカット)

「フレアアクション」でシューターがもっと輝くチームに!

最近、なんとなくスクリメージやスポット練習を繰り返していたなぁ…と少し反省しました。
そこで、「一つのテーマをしっかり積み上げる練習」に切り替えようと思います。

考えた結果、うちはインサイドも強いけど、シューターも多い。
だからこそ、シューターが活かされるアクションをもっと深めていきたい。

そんな気持ちで今回のテーマは「フレアアクション(フレアスクリーン&フレアカット)」に決めました。
チーム全体で理解を深めながら、実際の練習に落とし込んでいきます。
しっかりと定着するまで色々と形を変えてドリル化します。

【フレアとは】

フレア(flare)とは辞書によると、
1〈火炎が〉めらめら燃える。
2〈スカート・トランペットの開口部などが〉外側に広がる。
3〈争い・病気などが〉激発する,突発する。
となります。

一見バラバラに見えるけど、どれも「勢いよく外へ広がる」という共通のイメージがあります。
女性の感覚で言うなら、「ウエストからふわっと広がるフレアスカート」が一番しっくりくるかもしれませんね。

【フレアアクション】

▽フレアカットとは

「フレアカット(Flare Cut)」とは、味方が作るフレアスクリーンを使って、ボールから離れるように動くオフボールの動きです。
目的は、ディフェンスと距離をとり、キャッチ&シュートのチャンスを作ること。
スクリーンがなくても、ボールから離れる方向にカットすればフレアカットと呼ぶことがあります。

▽フレアスクリーンとは

「フレアスクリーン(Flare Screen)」は、フレアカットを助けるためにセットするオフボールスクリーンです。
ボールマンの反対側から仕掛けることで、味方にシュートスペースを生み出します。

▽フレアアクションとは

「フレアアクション(Flare Action)」は、フレアカットとフレアスクリーンのセットプレイを指します。
シューターを活かすチームには欠かせない連携です。

【フレアの使うタイミング】

▽パスキャッチに合わせて

パスが出るタイミングに合わせてフレアスクリーンをセットすると、ディフェンスはスクリーンを避けづらくなります。
ポイントは「キャッチの瞬間」に合わせること。
「on pass move,on catch …

【PnRカバレッジ】ドロップ、フラット、ウォールの違い

ピック&ロールのことをPnRと表現します。
カバレッジは網羅、つまり守り方です。
PnRカバレッジとは、ピック&ロールに対する守り方のことです。

GOEMONではアーリーブリッツ(ドリブルをつく前にダブルチームをすること)を採用しています。
今回は、動きが似ている3つのカバレッジの違いを解説(解釈)したいと思います。

【ドロップ、フラット、ウォールの共通点】

オンボールピックの時に、ボールを持っている方をハンドラー。
ハンドラーのディフェンスをハンドラーD。
ピックを掛ける方をピックマン。
ピックマンのディフェンスをピックマンDと呼ぶことにします。

ドロップ、フラット、ウォールの共通点は下記です。
・ハンドラーDがチェイスする。
・ピックマンDが下がる。(差異あり)

【ドロップ/drop】

ドロップとは、PnRカバレッジのピックマンDの動き方で、後方に下がり(ドロップ)、ピックマンのダイブとハンドラーのドライブの両方をケアする守り方のことです。
ドロップ/dropを、直訳する「落ちる」という意味です。
ドロップではピックマンDが後方に下がるので、ハンドラーのドライブとピックマンのダイブの両方を守れます。
ハンドラーのプルアップはハンドラーDがチェイスして、リア(後方から)またはサイドからコンテストします。
しかし、プルアップシュートの成功率が高いとなかなか抑えることはできません。
またハンドラーにジェイルされると、ハンドラーDが押し出され、2対1のアウトナンバーが作られてしまいます。
またピックマンがポップアウトした時は、少し距離があるので、守るのは難しいかもしれません。
ピックマンのダイブを優先して守りたい時はドロップが最適ですが、個人的には色々と穴が多いカバレッジだと思います。
一番の弱点であるハンドラーのプルアップは期待値の低いロング・ツーになるので、割り切ってうたせるのは戦略としては良い考えであります。

【フラット/flat】

フラットとは、PnRカバレッジのピックマンDの動き方で、ピックマンと同じライン(平=フラット)で守り、ピックマンのダイブとハンドラーのドライブの両方と、ハンドラーのプルアップに対してもケアする守り方のことです。
フラット/flatは「平」という意味です。
フラットは、ピックマンDがよりドロップの進化系で、よりタイトに守るイメージだと思ってください。
ピックマンDの守備範囲がドロップよりも広いので、機動力が必要です。
さらに二人で完結して守るのは難しいので三人目のディフェンスのスタントが重要となります。
ピックマンがすぐにポップアウトした場合は、ハンドラーDが一度ピックマンをケアします。
その後、状況を見て、マークマンを元に戻すか、レイトスイッチ(状況をみてからスイッチすること)するなどを選択します。
Bリーグの某チームが採用していますが、他ではあまり見たことがありません。
見てもドロップとして認識しているだけかも。
もしくはチームオリジナルの造語かもしれません。…

90秒シフト(ローテーション・マネジメント)

エンジョイ型のチームであるパークスを設立し、初めての大会出場が決まった直後にB3コーチに就任しました。
初の公式戦は、そもそも大会に初めてでる選手達に丸投げにしてしまった結果、色々な人に負担をかけてしまいました。
なので、私がいてもいなくても回るよう、仕組みと理念をつくりあげることにします。
ベンチワークで参考にさせて頂いたのが、アルバルク東京アカデミーが採用している90秒シフトです。

【実施方法】

・メンバーを2つのグループに分ける。
・2つのグループが交互にプレーする。
・ゲームクロックが60秒進んだら、TOに交代を伝える。
・グループが6人以上の場合、各グループの中で平等に順番を回す

【戦術的な強み】

・試合を通じて90秒交代を繰り返して、チーム全員で極めて激しいペースでプレーし続けることで、ゲームを優位に進める
・既存の選手起用法と根本的に異なるため、対戦相手に対して、こちらに合わせるか、疲労をためながら激しいペースでプレーをし続けるかの選択を迫ることができる
慣れているのは、普段から練習を積んでいる自チームであるため、相手がどちらを選択しても、自チームが優位に立つことができる

【コーチの権力を手放す効果】

・選手にとってプレータイムはとても高い価値を持つものである。
・選手交代を指示する権限は権力である。
・この権力により、選手たちにとって、コーチの発言が強制力を持つことになる。
・全員出場・90秒シフトのシステムでは、コーチは選手交代を指示しない。
・権力を手放すことで、選手たちがコーチの評価を過度に気にする必要がなくなる。
・選手たちは自分たちのアイディアを自由に試行錯誤することができる。…