【ハンマー・セット/hammer set】
ハンマーセットとは、ボールサイドのベースラインドライブに合わせて、ヘルプサイドがスクリーン&フレアカットし、コーナースリーを狙うコンビネーションオフェンスのことです。
ハンマー(hammer)を直訳すると、『金槌(かなづち)』という意味です。
ティム・ダンカン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリのビッグスリーが活躍したサンアントニオ・スパーズ時代の代名詞的なセットプレイとなります。
ハンマーセットで3Pが成功した際は、アナウンサーが「バンッ!」とハンマーを叩いた擬音を発していたそうです。
【アライメント&ムーブメント】
ハンマーセットに直接的に関わるプレイヤーはボールサイド側でドライブする一名とヘルプサイド側の二名となります。
ボールマン(1)がベースライン側にドライブするプレイに合わせて、逆サイドのインサイド(5)がアップスクリーンをして、同じく逆サイドのウイング(2)がフレアカットします。
1は逆サイドのコーナーにパスをして、3Pの中でも最も距離が短いコーナーでオープンスリーをうつことが可能となります。
〇なぜ2がフリーになるのか?
1の1on1ドライブでレイアップまで持っていけるならば、5ディフェンスはヘルプに行く必要があります。
すると、逆サイドではオフェンス2と5を、ディフェンス2だけで対応しないといけなくなります。
オフェンス5がしっかりとスクリーンをかけることができればネイキッドスクリーン(スクリナーにディフェンスがいないスクリーン)なので、2がコーナーでオープンとなります。
〇残りの3と5は?
ここで重要なのは、ハンマーセットに直接関わらない残り二名のポジションです。
ハンマーセットのエントリー前にAIやZIPを挟んだりと、色々ありますが、エントリーする段階でのアライメントは大体一緒です。
3はボールサイドにいて、ハンドオフで1にボールを渡します。
4はトップに残って、積極的なスペーシングを取ることで他の四人の邪魔をしません。
または、4がハンドオフをした3にスクリーンをかけて、3にフレアカットさせます。(ピストルアクションの形)
残りのオフェンス二枚が1のドライブと2のフレアカットの邪魔をしないようにポジショニングするのが、ハンマーセット成功のコツとなります。