【プリンストンオフェンス三行まとめ】
☑アライメントは4out1in。
☑フローチャートで進むオプショナルオフェンス。
☑常にバックドアを狙う。
目次
【プリンストンオフェンスの生みの親】
プリンストンオフェンスとは、プリンストン大学で長期に渡りコーチを務めたピート・キャリルが発案したオフェンスのことです。
プリンストン大学とは、日本で言う東大みたいな感じで、スポーツ奨学金なしの秀才軍団を、独自のオフェンスを駆使し、スポーツ推薦で集まる私立強豪に何度も勝利を重ねたという感じですね。
ピート・キャリルについては、こんな感じです。
1967年から1997年の30年間、プリンストン大学でヘッドコーチを務める。アイビーリーグの歴代最多勝コーチであり、13回のカンファレンス優勝と11回のNCAAトーナメント出場を誇る。1997年にバスケットボール界における功績が認められ、バスケットボール殿堂入りを果たす。プリンストン大学の後、NBAサクラメントキングスでアシスタントコーチを務め、プリンストンオフェンスを指導し、多大な成果を収めた。
「賢者は強者に優る」がピート・キャリルのコーチング哲学です。
【アライメント】
アライメントとは、オフェンスを開始するときの立ち位置のことです。
プリンストンオフェンスのアライメントは4out1inとなります。
稀に5outや3out2inもありますが、4out1inが一番多いです。
バックドアを活かすためには、2-3ハイセット(2ガード、2ウイング、1ハイポ)が好みです。
1トップ、2ウイング、1コーナー、1ポストなどの形もあります。
アライメントはある程度自由でいいと思います。
【オプショナルオフェンス】
オプショナルオフェンスとは、常に決められた複数の選択肢(オプション)から選手が自由に選び進んでいくことです。
オプショナルの例をご案内します。
〇エントリー
アライメントを組んだ後の最初のプレイを「エントリー」と呼びます。
エントリーはウイングパス③、ハイポパス⑤、ヘルプサイドパス②の3つからコート内の選手が選択します。
〇ウイングパスエントリー
ウイングパスエントリーをしたら、次にUCLAカットかスペインピックを選択します。
それぞれの具体的な動きについては割愛します。
ヘルプサイドの動きは、お互いにスクリーンをかけあって、バックドア、フレア、フレックスを仕掛けることで、ボールサイドにディフェンスが行かないようにします。
〇ハイポパスエントリー
ハイポパスエントリーをしたら、スタックかカールを選択します。
ヘルプサイドは、ウイングパスエントリーと同様にスクリーンをかけあうことでディフェンスを引き付けます。
〇ヘルプパスエントリー
ヘルプサイドパスエントリーをしたら、チンかフレアを選択します。
〇フローチャート
色々なオフェンスが出てきて混乱すると思うので、フローチャートを作って体系化してみました。
今回は1stで3つの選択肢、そこから各2つの選択肢の合計6パターンのオプショナル(選択自由の)オフェンスとなります。
→ ウイングパス → UCLA
→ ウイングパス → スペインピック
→ ハイポパス → スタック
→ ハイポパス → カール
→ ヘルプサイドパス → チン
→ ヘルプサイドパス → フレア
【コンティニティオフェンス】
コンティニティオフェンスとは、シュートまでいけなかった時にフリーに切り替えるのではなく、再び2ガード・2ウイング・1ポストのアライメントをセットして、別のオプションをコンティニュー(中断せず続ける)することです。
オフェンスの終わりの形が2ガード・2ウイング・1ポストにリ・セットしやすいフォーメーションであれば、どんなオフェンスでも組み込むことは可能です。
イメージはこんな感じです。
→ ウイングパス → UCLA → リ・セット → ヘルプサイドパス → チン
→ ハイポパス → スタック → リ・セット → ヘルプサイドパス → フレア
24秒オーバータイムがあるので、2回のセットまでが現実的だと思いますが、場合によっては3回ぐらいまでセットすることも可能です。
【バックドア】
今回のアライメントは2-3ハイセットのため、ローポスト付近ががら空きとなります。
常にバックドアカットを狙いながら、コンティニティオフェンスを展開します。
【DHO】
DHOとは、ドリブル・ハンド・オフのことです。
パスが詰まったら、DHOで角度やサイドをチェンジします。
【プリンストンオフェンスのまとめ】
プリンストンオフェンスとは、つまり、「オプショナルオフェンス×コンティニティオフェンス」ということです。
メリットとしては、特定のプレイヤーに頼らずにチームワークで得点を狙うことができます。
ビックマンがいないチームには最適です。まさに賢者のバスケですね。
デメリットとしては、シュート機会が均一化しやすいので、チーム内でレベル差が大きい場合は、強みを活かしきれません。
オフェンス能力が高いプレイヤーを活かしたフォーメーションの方が高い期待値を望めると思います。
当プリンストンオフェンスは、独学による独自解釈となりますので、事実と反する可能性もありますことをご了承ください。
【資料:プリンストンオフェンス動画集】