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チームオフェンス

チームオフェンスとは何か?
私はオフェンス5人が共通した意思を持ったオフェンスだと思います。
パスで崩してもチームオフェンスですし、アイソレーションでの1on1も広義のチームオフェンスだと思います。

【チームオフェンスの概念】

どうすればチームオフェンスが成立するのか、4つの共通概念を説明したいと思います。
・スペーシング
・サイドチェンジ
・シェアザボール
・シュートセレクション

【スペーシング】

オフェンス同士の位置が被った状態をカオスと呼びます。
反対に適切な距離関係を保った状態をコスモスと呼びます。
カオスを避けるために、適切な距離感を理解することが大事です。
アウトサイドプレイヤー同士の距離感は5mが適切と呼ばれています。
フリースローラインが4.9m、エンドラインからフリースローラインまでの縦線が5.8mなので、そのふたつの線を目安にするとわかりやすいと思います。
またアウトサイドプレイヤーとインサイドプレイヤーは3mが最適な距離感となります。

ポストはディフェンスにシール(体が密着)された状態なので、これ以上遠いと、パスを入れにくくなります。
アウトサイドプレイヤーが距離を作るために下がる(リトリートドリブル)こともスペーシングのコツとなります。

【サイドチェンジ】

オーバーロードしたゾーンオフェンスを除き、基本的にパス3回で崩せなかった場合は、逆サイドに展開した方がよいでしょう。
片サイドだけでボールを展開しても、ディフェンスの動きに大きな変化はありません。
しかし、反対側に展開されると、ボール・ミー・ユ-の原則からディフェンスは立ち位置を変えることになります。
また、オフェンス自身もポジションを変えることになるので、ディフェンスの動きはより変化があります。

【シェアザボール】

「ボールは爆弾であり、2秒以上ボールを保持してはいけない。」
これは、球離れを推奨している言葉です。
また、2005年NBAチャンピオンであるデトロイト・ピストンズのヘッドコーチ「ラリー・ブラウン」はシェア・ザ・ボールを提唱していました。
折角、ボールが展開して、ディフェンスの形が崩れても、ボールをとどめてしまうと、ディフェンスも正常な形に戻ります。
オフェンス戦術やチームのコンセプトによって、多少異なりますが、2秒以上ボールを持たないことがチームオフェンスの要素となります。
余談ですが、ポストアップしたインサイドも2秒してボールが入らなかったら、きれてスペースをあけた方がよいプレイとなります。

【シュートセレクション】

スペーシング、サイドチェンジ、シェアザボールでお膳立てをしても、シュートセレクションが合わないと、台無しです。
シュートセレクションに合わないシュート(タフショットや想定外のシュート)はよくありませんし、シュートセレクションに沿っているのにシュートをうたないのもよくありません。…

ポストのミスマッチ対策

【ポストのミスマッチ対策】

次の試合ではインサイドの参加が少ないのでミスマッチが発生する可能性があります。
身長差が15cmぐらいあると、ローポストでのミスマッチは失点につながりかねません。
そこで、ミスマッチ対策の確認をしました。

〇ミスマッチ対策の種類

・優先1、ミスマッチを発生させない
・優先2、ローポストに入れさせない
・優先3、フルフロント
・優先4、カバーダウンポスト

〇優先1、ミスマッチを発生させない

身も蓋もないことを言うと、ミスマッチを発生させないことが一番です。
マッチアップを変更することでミスマッチを回避できるのならば、ゲーム中にスムーズに対応してください。
コート上のメンバー同士のコミュニケーションが大事です。

〇優先2、ローポストに入れさせない

ローポストでミスマッチになるのであれば、バンプを頑張ってペイントエリアより外に出すことで解決できることもあります。
そのままスクリーンアウトをしてリバウンドにも絡ませなければ、よりグッドです。
他のプレイヤーのヘルプに頼らなくても済むのであれば、体を張ったプレイで回避する方がよいと思います。

〇優先3、フルフロント

ようやく技術・戦術的な話になります。
フルフロントとは、ディフェンスがオフェンスの前に完全に出て覆いかぶさることです。
これで、ループパス以外の供給方法を断つことができます。
しかし、裏パスが通ればそのまま失点になるので、三線プレイヤーにヘルプに来て挟んでもらいます。
なので、フロントに出る際に「うしろ、よろしく!!」と声をかけながら出ます。

〇優先4、カバーダウンポスト

フルフロントのほかにカバーダウンポストという選択肢もあります。
体格的にはゴール下まで押し込まれないが、そのまま点を取られてしまうときに有効です。
ポストにボールが入ると同時に二線が寄ってプレッシャーをかけることです。
体格差が大きい場合は、押し込まれてしまうので対応できません。
そして、二線が寄るのでノーマークが発生しやすく、アウトサイドのシュート力が高い場合はおすすめできません。

〇ポストのミスマッチ対策の結論

まずはミスマッチを作らない。
→ペイントエリアに入れさせないなど個の頑張りで防げるなら、頑張ってもらう
→フルフロントとカバーダウンポストの相性の良い方を選ぶ
ざっくりとこんな流れで選択しますが、ミスマッチ=フルフロントでも良いかと思います。…

ジャンプボール考察

【ジャンプボール三行まとめ】

・ジャンプボールは大事ではない
・ジャンパーは助走つけちゃえ
・それ以外はポジションをしっかり取って

【ジャンプボール考察】

先日の大会で、ジャンプボールで勝ったのに、相手にボールを取られてしまった。
ジャンプボールの動き方がわからないとのことで、今回の練習で確認することにしました。

〇ジャンプボールは大事か?

まず、前提としてここです。
私、個人の意見としては、ジャンプボールは重要ではありません。
なぜなら、ジャンプボールで負けても、オルタネイティブポジションという制度で、ボールを交互に分け合うからです。
なので、ジャンプボールは以前の名残、儀式的な物だととらえています。
例えば、ジャンプボールさえ勝っていれば、試合に勝っていたというゲームは存在しません。
同様に、ジャンプボールの練習をチームで取り組んでいるなんて話も聞いたことありません。
なので、あまり重要だとは思っていません。
しかしながら、ジャンプボールに勝つと、セットプレイから始まるので、ナンバープレイを一発目でできる。
最初のゴールが成功することで、勢いに乗れることがある。
などから、勝つに越したことがないとは思います。
ちなみにうちの男子はジャンプボールから簡単に二点を取れる秘密のオプションがあります。

〇ジャンプボールのルール

まずは基本的なルールのおさらいです。
よく聞かれるのが助走してもいいのか?
本来は、ジャンパーはセンターライン付近に足を置かなければなりません。
よって、助走はせいぜい一歩踏み込む程度しかできませんが、「付近」という言葉は曖昧なうえ、あまり適用されたケースはありません。
なので、センターサークルの範囲内であれば、助走をつけても良いと思います。
むしろ、二歩程度の助走はつけるべきかな。
審判に「足を寄せて」と言われたら、助走を諦めればいいと思います。

ジャンパーがタップできる回数は二回までです。
二回タップした後は、ボールがリングかほかの選手に触れるまでジャンパーはボールに触ってはいけません。

ジャンパーは同様にボールをキャッチしてはいけません。
なので、下記のプレイはNBAではリーガルかもしれませんが、FIBAルールでは違反です。

サークルの外のプレイヤーは自由に動いて大丈夫です。
稀に「動かないで」と言う審判もいますが、空中を含めてセンターサークルに入らなければ自由です。

〇ジャンパーのコツ

まずは、ジャンプボールに勝てるか負けるかを予測します。
負けるのが前提の場合は、あまり一生懸命やっても無駄なので、さくっとジャンプして次のプレイに切り替えます。
勝てる可能性が高い場合は、あらかじめボールを落とす位置を決めます。
助走をつけて、飛んで、直接味方か、味方同士で守られている位置にボールを落とします。

〇ジャンパー以外のコツ