【リーク・アウト/leak out】
リーク・アウトとは、ディフェンスでスクリーンアウトせずに、速攻を狙って先走りすることです。
リーク・アウト(leak out)を直訳すると、『漏れる(もれる)』という意味です。
参考:てらこやNBA♯17 戦術:リムラン
【リークアウトが発生しやすいシチュエーション】
リークアウトが発生しやすいシチュエーションは、ロングクローズアウトの時です。
オープンのプレイヤーに対して、ダッシュで詰めてから思いっきりジャンプをしてチェックをしないとプレッシャーがかけられない状態です。
思いっきりジャンプしているので、着地の位置もオフェンスより後方になり、ジャンプで前に進んだ勢いを使って、速攻に先走りします。
【スクリーンアウトが全てではない】
シュートに対して飛んではいけない。
スクリーンアウトをさぼって速攻に行ってはいけない。
リークアウトのプレイは今まではNGとされてきました。
しかし、必ずしも悪いプレイとは言い切れません。
例えば、相手が名シューターでオープンシュートがほとんど入ってしまう場合、スクリーンアウトにいけなくても全力でシュートチェックのためにジャンプする方が失点期待値は下がります。
また、すでに相手よりも遠いところにいる状態からスクリーンアウトに行こうとしても、相手の方が内側なので間に合いません。
さらに、リバウンドの強いビッグマンが味方チームにいて、ディフェンスリバウンドを取れる可能性が高いなら任せても大丈夫です。
総合的に考えたら、少しでもシュートが落ちるように思いっきりジャンプチェックすることでディフェンスレーティング(失点期待値)を減らし、スクリーンアウトを諦めてリークアウトに移行し、先走りでワンマン速攻を狙うことでオフェンスレーティング(得点期待値)をあげ、ネットレーティング(得点-失点期待値)を上げることを目指します。
【先走りを選択する】
いつも参考にさせて頂いてる小谷究先生の名著『バスケセンスが見につく88の発想』では「先走りを選択する」という項目でリークアウトを新しい発想として解説しています。
勿論、カテゴリーの違いによるシュート力・リバウンド力の差や、チーム方針もあるので、5人でスクリーンアウトを基本とするのは間違いではありません。
それでも、「リークアウト=悪いプレイ」という固定観念は振り払っても良いと思います。
個人的にもシュートに対しては飛ばないよう指示をしていますが、ディフェンスリバウンドが強い場合はスクリーンアウトせずにリークアウトをするよう指示することもあります。