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スペインピック(ダブルスクリーン・ポップ&ロール)は今や世界中で使われるバスケ戦術

【スペインピック三行まとめ】
☑PnRのスクリナーにスクリーンする三人のコンビネーションプレイ。
☑リオ五輪でスペイン代表チームが多用したのでスペインピックが通称となった。
☑スペインピックを悟らせないための仕掛けを入れると効果的。

【スペインピックとは】

スペインピックとは、PnR(ピック&ロール)のピックマンのディフェンス(またはボールマンのディフェンス)に対して、三人目がスクリーンをかける、コンビネーションプレイです。
現在、NBAを含む多くの世界中のチームが採用しているコンビネーションプレイとなります。
正式名称は「ダブルスクリーン・ポップ&ロール」と呼びますが、リオ五輪(2016年)で銅メダルに輝いたスペイン代表チームが多用したことをきっかけに世界中へ広まったので「スペインピック」という通称名が流行しました。
「ボールマンがすべてではない-バスケの複雑な戦術が明らかになる本」の著者でもある千葉ジェッツヘッドコーチ大野篤史氏は「スクリーンヘッジャー」という名前で紹介しています。

【スペインピックの動き】

スペインピックは、先にかけたスクリナーがゴール方向にダイブ、後からきたピックマンが3Pラインの外側方向にポップアウトします。
ボールマンはドライブからのレイアップまたは止まってミドルシュート、ダイブへのディッシュ、ポップアウトへのアウトサイドパスを選択します。

トップリーグでは対スペインピックディフェンス(オールスイッチ、またはアンダー)も研究されていますが、クラブレベルだとまだ対応がうまくできていない状態です。

【スペインピックを分解写真で説明】

上のYOUTUBEを見てくれれば一発で分かると思いますが、一応説明します。

〇アライメント

本文では、オフェンスのG・F・Cを「OG」・「OF」・「OC」、ディフェンスを「DG」・「DF」・「DC」と表記しました。
画像だとスペースの関係で白字がオフェンス、黒字がディフェンスとなります。
スペインピックを仕掛ける位置としてはハイピック(OGが高めのトップの位置)が理想です。
ウイングピック(45度)からでも仕掛けられますが、ハイピックの方がスペースを広く使えるので、ハンドラーのドリブル技術があるならば、ハイピックがおすすめです。
最初にピックを仕掛けるスクリナー(OC)はインサイドにダイブして、ゴール下でパスを受けてアタックできるプレイヤーがおすすめです。
残り二名はスペースを最大限に確保できるようにコーナーにて待機します。
このオフボールマンの動きはピックプレイ全般に共通する大事な動きとなります。

〇1stピック


上記の画像だと、OCがミドル(真ん中)側にスクリーン(ピック)をかけました。
OGがスクリーン方向にドライブしたので、DGがファイトオーバーで対応しようとします。
結果的にはチェイス(追跡者)の形で、OGを後追いしています。
DCは自分のマッチアップに対して距離をとって守っています。
これはアンダーまたはホワイトという守り方で、OG、OCの両方に対応できるように守っています。
OCはゴール方向にダイブしています。

〇2ndピック


ここまでは普通のハイピックからのPnR(ピック&ロール)となります。
スペインピックの場合は、プラスして、OFがDCにバックスクリーン(背後からのスクリーン)を仕掛けます。
アンダーでOGとOCの両方に対応できるように守っていたDCが二回目の背後からのスクリーンで無力化します。

〇フィニッシュ