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【シュートとはシュート動作のルーティーンワーク】
「自信を持ってシュートをうて!」
「決めるつもりでシュートしろ!」
私も良く言いますし、よく耳にする言葉です。
ですが、実はこの言葉、あまり好きではありませんでした。
シュートはシュート動作(ルーティーンワーク)の追求作業。
自信があろうがなかろうが、動作が一緒ならば成功率に変化はない。
これが私の持論でした。
【接戦に強い】
過去3試合で、女子は4Qでの逆転負けに苦しんでいます。
試合後のミーティングで終盤での気持ちについて話しました。
「4Qで10点リードが3点リードにまで詰められた時に、負けるかも?と思った人いる?」
ほぼ全員が負けるかもと思っていたことが発覚。
「男子は接戦に驚異的に強いよ。
絶対に負けるかもなんて思わないから、絶対に勝つと思ってプレイし、実際に勝ってるよ。
まずは、負けるかもなんて思わないで、絶対に勝てるとマインドセットしようよ」
私はこれで簡単にマインドセットできちゃう人間なんですが、女子はマインドセットが難しいのでしょうね。
ただ、論点はこの先。
ん?「勝てるんだ」とマインドセットした方が本当にいいのか?
勝敗とは関係ないんじゃないのかな??
と、自問自答しました。
【単なる感情論では?】
・決めるつもりでシュートする。
・勝てると思って接戦をプレイする。
上記の二個はともに精神論で結果を変えようという試みですね。
これって根拠のない感情論であり、本当に結果に影響を与えるのでしょうか?
悶々とする日々が過ぎた中、一つの書籍と出会い、疑いが晴れ、感情論ではないという確信に変わりました。
【PKでの心理と結果の関係】
スポーツ心理学者ジョルテの「期待の科学」に出てきたデータを図にしてみました。
サッカーのPKの平均成功率は75%のようです。
初対戦(直近でPKで試合したことがない相手)のチームに対しては成功率が74%と、平均成功率とほぼ一緒です。
4本中3本の成功が、一般的なPKの成功率だと思ってください。
それに対し、直近でPK勝ちしている相手チームに対してはシュート成功率が87%となります。
心理状態で言うと、勝てるかもと思っている状態ですね。
平均よりも12%アップという結果になります。
反対に、直近でPK負けしている相手チームに対してへのシュート成功率は63%となります。
心理状態で言うと、負けるかもと思っている状態ですね。
平均よりも12%ダウンという結果になります。
奇しくも、同じ12%の変化という結果になりました。
【PKでは先攻を選ぶ】
PK戦の勝率は、先攻チーム60%:後攻チーム40%となります。
実に先攻チームが1.5倍の勝率となります。
これは先制点を入れることで、心理的優位に立てることができ、75%の確率で先制点が入るからです。
実際、コイントスに勝った主将は、95%の確率で先攻を選ぶそうです。
【バスケのオープンシュートとサッカーのPKは同じクローズドスキル】
バスケットボールのディフェンスやリバウンドなどのプレイは、フィジカルや身体能力や意欲などが大きく影響をします。
しかし、オープンシュートはバスケットボールで唯一、フィジカルなどから解放され、技術と心理で成功率が決まるアクションだと思います。
いわゆる「クローズドスキル」ですね。
クローズドスキルとは、外的要因に左右されず、自分のペースで行える技能のことです。
サッカーだとPK、他のスポーツだとダーツ・ボウリング・アーチェリーなどが該当します。
【因果関係は不明だが、相関関係で実証】
因果関係(原因と結果)としては、やはり良く分からないみたいですね。
性格や経験値にもよると思いますが、自信を持った方が体も正確に動くとか??
相関関係として、自信が持てそうな状況の方が、成功率が上がったという実証が出ています。
ぶっちゃけ、証拠レベルは相当低いですが、サッカーのPKに自信と成功率の影響が認められているのであれば、バスケのシュートでも自信を持てばシュート確率があがるはずです。
【結論、自信を持ってシュートをうて!】
・決めるつもりでシュートする。
・勝てると思って接戦をプレイする。
これは次の行動につながる感情論としてではなく、結果に影響を与えるために必要なことです。
当記事のタイトルである、「入ると思ってシュートすると成功率があがるのか?」に対しては、成功率は上がります!