FIBA スタティスティシャンズ マニュアル 2018(スタッツ規定)

FIBA スタティスティシャンズ マニュアル 2018
Bリーグでスタッツ計測する際の基準となります。

FIBA statistician manual 2018

【国内大会開催時の注意事項】

 国内大会においては同様の基準で記録すること
 使用する入力ソフトによって記録する事項がかわるので、考慮すること

FIBA Statisticians’ Manual 2016 は、男子および女子のゲームにおいての基準について記載されており、実務上の理由で定められていることを理解しなければならない。
スタティスティシャンは、コート上で何が起きたか記録することに責任を持つことになる。
マニュアルは、スタティスティシャンが予測することを避け、確かで早い判断を行うためのガイドラインが記載されている。
マニュアルにないシチュエーションの場合、スタティスティシャンはプレーを記録するために最善を尽くし判断しなければならない。
例題では、チーム A はオフェンスチームを意味し、チーム B はディフェンスチームを意味する。スタティスティシャンを遂行するためには、Official Basketball Rules の完璧な理解が必要とされる。

【フィールドゴール】

プレーヤーが、ライブボールをシュートの意図をもち、相手バスケットにシュート、投げる、ティップした場合フィールドゴール・アテンプト(FGA)が記録される。
FGA が記録され、その結果が得点となった場合または、ディフェンスプレーヤーによるインタフェアレンスやゴールテンディングにより得点が認められた場合、フィールドゴール・メイド(FGM)が記録される。
・シュートモーションに関わらず、コート上のどこからシュートが放たれても FGA が記録される。
・ピリオドエンドに放つシュートは、ブザーの前にリリースされていたら、FGA が記録される。
・シュート動作中のプレーヤーがファウルされた場合、シュートがカウントされる場合を除き FGA は記録されない。
・オフェンスプレーヤーによるインタフェアレンスやゴールテンディングにより、シュートが取り消された場合はFGA は記録されない。
・ボールがリリースされる前に、チームメイトがファウルまたはバイオレーションをした場合は、FGA は記録されない。
ボールがリリースされた後にファウルまたはバイオレーションが起こった場合は FGA は記録される。
・コントロールされたティップ・シュート(プット・バックともいう)も FGA(同時にオフェンスリバウンド)が記録される。
ティップが成功した場合は、コントロールの有無に関わらず FGA と FGM が記録される。
・ボールがリリースされる前にブロックされた場合も、FGA は記録される。
ディフェンスプレーヤー(B チーム)により、偶発的に自バスケットに得点をしてしまった場合は、相手(A)チームのコートキャプテンに記録される。
コートキャプテンは、FGA と FGM の両方が記録される。
オフェンス(A)チームによるFGA が失敗した際のリバウンド時に自殺点が発生した場合は、オフェンス・チーム・リバウンドが記録される。
リバウンド以外の項目になるが、もし自殺点を決める前から同じチームがポゼッションを持っていたら、自殺点を決めた選手にはターンオーバーも記録されなければならない。

〇ファスト・ブレイク・ポイント

ターンオーバー、ディフェンスリバウンド、FGMによりポゼッションが変わり、相手チームが*ディフェンスをセットする前に素早く(最大8秒)フルスピードで、成功した得点はファスト・ブレイク・ポイントが記録される。
FGMまたはファスト・ブレイク シチュエーション中のファウルの結果のFTM(s)に記録することができる。
ファスト・ブレイク中のオフェンスリバウンド後もまだディフェンスがセットされていなかった場合もファスト・ブレイク・ポイントを記録することができる。(例:速攻のレイアップ時)
*ディフェンスがセットとは、、、ハーフコート(フロントコート)で 5 人がセットできた時

〇例題

1.A5 がシュートを放つが、B5 にファウルをした…
(a)ボールがリリースされる前であった
(b)ボールがリリースされた後だが、フィールドゴールは成功しなかった
(c)ボールがリリースされた後で、フィールドゴールが成功した
⇒(a)A5にFGAは記録しない。A5/ターンオーバー(オフェンスファウル)、A5/パーソナルファウル、B5/ファウルドローン
⇒(b)A5/FGA、A5/パーソナルファウル、B/ディフェンスチームリバウンド、B5/ファウルドローン
⇒(c)A5/FGA、A5/FGM、A5/パーソナルファウル、B5/ファウルドローン
ファウルがボールがリリースされる前か後か明確ではない場合は、オフィシャル(審判)のアクションに従うこと。
ボールがリリースされる前のファウルであれば、“ボールをコントロールしているチームのファウル”とサインし、ボールがリリースされた後のファウルであれば、オフィシャル(審判)はチームコントロールをサインしない。

2.A2 が FGA を放ち、リバウンドをする際に B5 が偶然自バスケットにボールをティップし得点してしまった。
⇒A2/FGA、チーム A オフェンスリバウンド、FGA と FGM がオフェンスチーム(チーム A)のコートキャプテンに記録される。

3.第 3 ピリオド残り 1 秒で B4 がディフェンスリバウンドを A チームのフロントコートで取り、振り返り相手バスケットに向かって…
(a)ブザーの前にボールを放った
(b)ブザーの後にボールを放った
⇒(a)B4/FGA、シュートが成功すれば B4/FGM
⇒(b)記録はしない

4.A1 がシュートを放つが、バスケットの支柱に引っかかった。
⇒A1/FGA、オルタネイティング・ポゼッション・アローに従い、ボールのポゼッションを得たチームにチームリバウンドが記録される。

5.チーム B はこのピリオドでチームファウルが 5 つを超えている。A1 はバスケットに向かってドライブをしたところ、
B5 からファウルをされた…
(a)シュート前のファウル
(b)シュートモーション中のファウル
(c)ボールがリリースされた後のファウル
どのシチュエーションでも彼はシュートを失敗し、2 本のフリースローが与えられている。
⇒(a)B5/パーソナルファウル、A1/ファウルドローン FGA は記録されない。
⇒(b)B5/パーソナルファウル、A1/ファウルドローン FGA は記録されない。
⇒(c)A1/FGA、チーム A/オフェンスリバウンド、B5/パーソナルファウル、A1/ファウルドローン

6.B2 は A3 のジャンプシュートがリリースされる前にブロックをした。A3 はボールが手にあるまま着地し、トラベリングを宣告された。
⇒A3/FGA、B2/ブロックショット、A3/オフェンスリバウンド、A3/ターンオーバー(トラベリング)

7.A1 のパスを B1 がインターセプトした。B1 は B2 にロングパスをし、B2 はレイアップをはずし、リバウンドをした後、B2 は B3 にパスをし、B3 は3P シュートを決めた。シュートのタイミングでは、まだディフェンスがセットされていなかった。
⇒A1/ターンオーバー、B1/スティール、B2/FGA、B2/オフェンスリバウンド、B3/3PFGA、B3/3PFGM、B2/アシスト
3FGM は、ポインツ・オフ・ターンオーバー、セカンド・チャンス、ファスト・ブレイク・ポイントも記録される。

8.A1 がシュートを失敗し、B1 がリバウンドを取った。リバウンドを取ってすぐ、B1 は A3 にファウルされた。
チームファウルが既に 4 個以上あったため、2 本のフリースローが与えられた。彼は、2 本中 1 本を決めた。
⇒A1/FGA、B1/ディフェンスリバウンド、A3/パーソナルファウル、B1/ファウルドローン、B1/FTA が 2 回、B1/FTM (ファスト・ブレイク・ポイントは記録されない)

9.A1 はシュートを外し、B1 がリバウンドを取った。B1 は B2 にアウトレットパスを出した後、B2 はファスト・ブレイクを仕掛けたが、A2 にファスト・ブレイクを止めるためにファウルをされた。B2 はチームファウルが 5 つを超えていたため 2 本のフリースローが与えられ、2 本とも成功させた。
⇒A1/FGA、B1/ディフェンスリバウンド、A2/パーソナルファウル、B2/ファウルドローン、B2/FTM を2回記録し、ともにファスト・ブレイク・ポイントが記録される。

10.A1 のパスが B2 にインターセプトされた。B2 はコートの端から端まで行き、レイアップを外したが自分でリバウンドを取った。その後、チーム B はセットプレーをセットした。同じポゼッションの中で、A1 が B3 からボールを叩き落とし、ボールはアウト・オブ・バウンズになった。
チーム B がスローインを獲得した。チーム B はタイム・アウトを請求した。
ショットクロックの時間が迫る中、B2 は 10mからの難しい 3P シュートを決めた。
⇒A1/ターンオーバー(バッドパス)、B2/スティール、B2/FGA、B2/オフェンスリバウンド、チーム B/タイム・アウト、B2/3PFGA、B2/3PFGM
3PFGM は、セカンド・チャンス、ポインツ・フロム・ターンオーバーも記録される。

【フリースロー】

フリースロー・アテンプト(FTA)は、プレーヤーがフリースローを放った際に記録されるが、相手プレーヤーによる不当なアクションがフリースローに影響したため、ディフェンスプレーヤーによるバイオレーションがありさらにシュートが外れた場合は FTA は記録されない。
そのフリースローが成功した場合にはフリースロー・メイド(FTM)も記録される。
フリースロー・メイドはプレーヤーがフリースローを放ち、結果として 1 点が加算される時に記録される。
フリースロー中にバイオレーションがあった場合は、スタティスティシャンはオフィシャル(審判)が何を宣告し、誰がバイオレーションを行ったかそして、どんな結果が続けて宣告されるか注意する必要がある。

〇ディフェンスチームのプレーヤーがバイオレーションをした場合

・フリースローが成功した場合は、ディフェンスプレーヤーのバイオレーションに関わらずシューターに FTA とFTM を記録する。
・フリースローが失敗した場合は、代わりのフリースローが与えられるため FTA は記録しない。
失敗したフリースローは無視し、代わりに与えられたスリースローに FTA を記録する。成功した場合は FTM も記録する。

〇シューターがバイオレーションした場合

フリースローが成功した場合は、キャンセルされる。FTA がシューターに記録される。
・最後のフリースローの場合は、ディフェンスチームがアウト・オブ・バウンズでポゼッションを得ることになり、ディフェンスチームにチームリバウンドを記録する。

〇シューターのチームメイトがバイオレーションをした場合

・フリースローが成功した場合、オフィシャル(審判)は成功したフリースローをキャンセルしないので、FTA と FTM をシューターに記録する。
・フリースローが失敗した場合は、シューターは FTA が記録される。最後のフリースローだった場合は、ディフェンスチームがアウト・オブ・バウンズでポゼッションを得ることになりディフェンスチームにチームリバウンドを記録する。

上記の全てのシチュエーションでは、ターンオーバーは記録されない。
間違ったプレーヤーがフリースローを放った場合、オフィシャル(審判)は FTM または間違ったシューターによる FTA をキャンセルする。
ピリオド開始前にテクニカル・ファウルが宣告されフリースローが与えられた場合は、FTA(成功すれば FTMも)は新しいピリオドに記録される。
このような特別なシチュエーションでスタティスティシャンは、審判の判断に従い、必要な場合はスコアラーズテーブルとコミュニケーションを取ることが大切である。

〇例題

1.A1 がフリースローを放ち、シュート中に B3 がフリースローバイオレーションをした。
(a)フリースローが成功した
(b)フリースローが失敗した
⇒(a)A1 に FTA と FTM を記録
⇒(b)代わりのフリースローが与えられるため、A1 に FTA は記録しない。

2.A5 が最後のフリースローを放ち、シュート中に A4 がバイオレーションをした。
(a)フリースローが成功した
(b)フリースローが失敗した
⇒(a)A5 に FTA と FTM を記録
⇒(b)A5/FTA、ディフェンスチームリバウンド ターンオーバーは記録されない。

【リバウンド】

リバウンドが記録されないケースを除き、全ての FGA 失敗または、最後の FTA 失敗にはリバウンドも同時に記録される。
リバウンドはライブボールをコントロールしたプレーヤーまたは、FGA、FTA の失敗後にスローインを得たチームに与えられる。
リバウンドには、オフェンスとディフェンス 2 種類がある。オフェンスリバウンドは、FGA または FTA を失敗したチームと同じチームが再度ポゼッションを得た場合に与えられる。ディフェンスリバウンドは、FGA または FTA を失敗しなかった方のチームがポゼッションを得た場合に記録される。
リカバリーは以下のときに成立する。
・複数のプレーヤーが触ったり、床にバウンズしたり転がった後でも、最初にボールをコントロールした時。
・得点をするために、コントロールしてボールをティップした時。
・コントロールの元、チームメイトにボールをティップまたは軌道を変えた時。
・相手チームと同時にリバウンド争いをし、オルタネイティング・ポゼッションにしたがってボールコントロールを得た時。
以下でポゼッションが得られるチームは、チームリバウンドが記録される。
・FGA または FTA のあとだれもコントロールすることなく、アウト・オブ・バウンズになった場合。
・FGA または FTA が失敗した後、どのプレーヤーもボールをコントロールする前にファウルが宣告された場合。
・FTA または FGA の失敗後、同じチームから 2 人以上のプレーヤーがヘルドボールに関わっていた時。
・ボールがリングとボードの間やバスケットの支柱に挟まった時。
・リバウンドシチュエーションで自バスケットにボールが入ってしまった場合。(ディフェンスプレーヤーが偶発的に自分のバスケットにボールをティップしてしまった場合。)
以下の場合は、リバウンドは記録されない。
・FTA が失敗した後でもボールがライブにならない場合。(例:アンスポーツマンライクの場合)
・ピリオドの最後の FGA または FTA を放った後にブザーがなり、どちらもポゼッションを得ることがなかった場合。
・FGA がリングに届くことなく失敗し、ショットクロックのブザーがなり、プレーヤーがボールのコントロールを得る前にオフィシャル(審判)が 24 秒バイオレーションを宣告した場合。
リバウンドをしたプレーヤーと同じプレーヤーがすぐ後にターンオーバーをした場合、相手チームにチームリバウンドが与えられる。(例:空中でリバウンドしたが、着地時点でアウト・オブ・バウンズだった)

〇例題

1.ミスショットが A5 と B4 により同時にリバウンド争いとなった。
⇒オルタネイティング・ポゼッション・アローにしたがって、A5 または B4 のいずれかにリバウンドが記録される

2.A3 によるミスショットの後 A5 がジャンプしボールをキャッチするも着地を失敗しボールのコントロールを失った。
ショットクロックは 14 秒にリセットされた。A5 がコントロールを失った後ボールは B4 が得た。
⇒B4/ディフェンスリバウンド
補足:審判の判断(ショットクロックの 14 秒リセットは A5 がコントロールしたことを意味する)とスタティスティシャンの判断(最後にコントロールした人にリバウンドを記録する:B4)には矛盾はあるが、この場合スタティスティシャンとしては前述の通りである。

3.ミスショットを B4 がキャッチしたのとほぼ同時に A5 が B4 にファウルをした。
⇒このシチュエーションでは、B4 がファウルされた前に、B4 がほんのわずかな間でもボールをコントロールをしていたか判断する必要がある。
コントロールしていた場合は、B4 にリバウンドを記録する。コントロールできていなかった場合は、チーム B にディフェンスチームリバウンドを記録する。

4.A4 はジャンプし、シュートを打とうとしたが、A4 の手をボールが離れる前に B5 にブロックされた。A4 はボールを持ったまま着地し、トラベリングを宣告された。
⇒A4/FGA、B5/ブロックショット、A4/オフェンスリバウンド、A4/ターンオーバー(バイオレーション)

5.ミスショットの後、B2、B4、A4 がリバウンド争いをし、両手がボールにある状況でヘルドボールになった。
(a)オルタネイティング・ポゼッションにより、チーム A がボールコントロールを得た
(b)オルタネイティング・ポゼッションにより、チーム B がボールコントロールを得た
⇒(a)A4/オフェンスリバウンド
⇒(b)チーム B/ディフェンスリバウンド

6.A3 が FGA を失敗し、プレーヤーがリバウンドを行う時に、
(a)A4 が B2 に対して後ろからのファウルを宣告された
(b)B1 が A1 に対してホールディングのファウルが宣告された
(c)B4 がボールをティップし、アウト・オブ・バウンズになった
⇒(a)チーム B/ディフェンスリバウンド
⇒(b)チーム A/オフェンスリバウンド
⇒(c)チーム A/オフェンスリバウンド

7.ショットクロックが鳴る直前に A1 が FGA を放ったが失敗しボールはリングに当たらなかった。
(a)B2 がショットクロックブザーの前に、ボールをキャッチした
(b)A2 がショットクロックブザーの前に、ボールをキャッチした
(c)A2 がショットクロックブザーの後に、ボールをキャッチした
⇒(a)A1/FGA、B2/ディフェンスリバウンド
⇒(b)A1/FGA、A2/オフェンスリバウンド、チーム A/チームターンオーバー(24 秒)
⇒(c)A1/FGA、チーム A/チームターンオーバー ボールはデッドのため、リバウンドは記録されない

8.A2 はフリースロー2 本の内、1 本目を失敗した。
⇒A2 はまだ 2 本目のフリースローがあり、ボールがデッドのためリバウンドは記録されない。

9.A2 は FGA を失敗し、誰かがボールをコントロールする前にピリオドが終了した。
⇒A2/FGA ボールがデッドだったため、リバウンドは記録しない。

10.A3 は FGA を失敗し、リングの縁にも触れなかった。ボールはフロアに落ち A5 がルーズボールを拾った。
⇒A3/FGA、A5/オフェンスリバウンド

11.A1 が FGA を失敗した。A4 と複数のプレーヤーがリバウンドに跳んだ。A4 はボールを後方のペイントの
外にティップし、A3 が拾った。
⇒A1/FGA、A3/オフェンスリバウンド

12.A1 は FGA を失敗した。A4 は複数のプレーヤーとリバウンドに飛び、A4はボールをコントロールして A5
にボールをティップした。A5 はすぐに 3PFGM を決めた。
⇒A1/FGA、A4/オフェンスリバウンド、A5/3PFGA、3PFGM、A4/アシスト

13.A4 は FGA を失敗した。A5 がリバウンドに飛びコントロールは得たが、アウト・オブ・バウンズで着地した。
⇒A4/FGA、チーム B/オフェンスリバウンド

14.A2 が FGA を失敗した。A3 がリバウンドに飛び、アウト・オブ・バウンズになる着地の直前に、B4 の脚にボールをティップし、ボールはアウト・オブ・バウンズになった。
チーム A はスローインが与えられた。
⇒A2/FGA、A3/オフェンスリバウンド

15.アンスポーツマンライク・ファウルの後、A3 は 2 本目のフリースローを失敗した。
⇒リバウンドは記録しない。

【ターンオーバー】

ターンオーバーはオフェンスプレーヤーまたはチームによる間違いにより、ディフェンスチームがボールのポゼッションを得ることである。
ターンオーバーは下記を含む。
・バッドパス
・ボールハンドリングまたはファンブル
・全てのバイオレーションまたはオフェンスファウル
チームがボールのコントロールがある時にのみターンオーバーを記録することができる。ボールが以下の状況の時チームがコントロールしていることになる。
・チームのプレーヤーがライブボールを持っているまたはドリブルしている時
・アウト・オブ・バウンズの状況でスローインを与えられた時
・フリースローのシューターである時
・チーム間でボールがパスされている時
ディフェンスプレーヤーの行動により、ヘルドボールになった場合は、オルタネイティング・ポゼッション・ルールの結果により、与えられるスタッツが決まる。
・オフェンスチームがポゼッションを得た場合、スタッツは記録されない。
・ディフェンスチームがポゼッションを得た場合、原因となったオフェンスプレーヤーにターンオーバーを記録し、ターンオーバーのきっかけとなったディフェンスプレーヤーにスティールを記録する。

〇ボールハンドリング

オフェンスのプレーヤーが持っていたり、ドリブルしていたボール、キャッチできたパスがとれず、ポゼッションを失った場合に記録される。

〇バイオレーション

オフェンスのプレーヤーまたはチームによってバイオレーション(例:トラベリング、3 秒、5 秒、バックコート、アウト・オブ・バウンズ、8 秒、24 秒)をした時に記録される。
スローイン時の 5 秒と 8 秒、24 秒はチームターンオーバーとして記録され、その他は全てプレーヤーへのターンオーバーとして記録される。

〇オフェンスファウル

オフェンスプレーヤーがファウルをした時に記録される。
ポゼッションにあるプレーヤーまたはチームが、テクニカル、アンスポーツマンライク、ディスクォリファイングのいずれのファウルをした場合はターンオーバーが記録される。
コート上のプレーヤーがファウルをした場合はプレーヤーのターンオーバーとなり、それ以外はチームターンオーバーとなる。

〇パッシング

バッドパスによってチームがボールのポゼッションを失った時。
スタティスティシャンがボールはキャッチできたと判断した場合を除き、パッサーにターンオーバーが記録される。
パスがキャッチできるものと判断した場合はレシーバーにターンオーバーが記録されなければならない。
複数の原因が同時にターンオーバーのシチュエーションで起きる場合がある。
例えば、バッドパスにより、チームメイトがボールをキャッチするためにコートの外に出てバイオレーションとなった場合。
スタティスティシャンは、ターンオーバーがどのように発生したか認識しなければならない。
この例では、バッドパスが原因でターンオーバーとなったため、パスをしたプレーヤーにターンオーバーが記録される(パッシング)
連続して 2 つ以上のターンオーバーが発生する場合もある。
前にボールのコントロールを持っていたチームがコントロールを失ったことによって、もう一方のチームがボールをコントロールを得たのかスタティスティシャンは判断しなければならない。
ターンオーバーを記録するにあたって、スタティスティシャンはプレーヤーがボールをコントロールしていたか疑わしいと感じた場合、していなかったとみなすべきである。

〇例題

1.B1 は A1 からボールをスティールし、コートをドリブルしていった。
⇒A1/ターンオーバー(ボールハンドリング)、B1/スティール

2.A2 はパスをしたが、アウト・オブ・バウンズになった。
⇒A2/ターンオーバー(パッシング)

3.A1 はいいパスをしたが、A4 がボールを落とした結果、B4 がボールを拾った。
⇒A4/ターンオーバー(ボールハンドリング)、B4/スティール

4.A2 はバイオレーション(トラベリングやダブルドリブルなど)をした結果、相手がボールを得ることになった。
⇒A2/ターンオーバー(バイオレーション)

5.A5 がオフェンスファウルを宣告された。(チャージング、ムービングなど)
⇒A5/ターンオーバー(オフェンスファウル)

6.チーム A はシュートを打つことができず、24 秒バイオレーションとなってしまった。
⇒チーム A/ターンオーバー(バイオレーション)

7.A2 はドリブルしていたボールを手に取ったが、B2 が近くでディフェンスをしていたため、シュートやパスをすることができず、5 秒バイオレーションが宣告された。
⇒A2/ターンオーバー(バイオレーション)

8.A1 がボールのポゼッションを得ていた時に、A4 と B4 がダブルファウルを宣告された。
⇒ファウルによるペナルティーがキャンセルされるため、チーム A がアウト・オブ・バウンズでボールを得るため、タ
ーンオーバーは記録されない。A4 と B4 はそれぞれファウルとファウルドローンが記録される。

9.A3 がボールを持っていたが、B3 がボールをたたきルーズになった。A3 と B3 の両方がボールをとりに行き、
ヘルドボールのシチュエーションとなった。
(a)オルタネイティング・ポゼッションによりチーム A がボールを得た。
(b)オルタネイティング・ポゼッションによりチーム B がボールを得た。
⇒(a)スタッツは記録されない。
⇒(b)A3/ターンオーバー(ボールハンドリング)、B3/スティール

10.A2 はテクニカル・ファウルを宣告された。
(a)A3 がドリブルをしている最中だった。
(b)B5 が A3 からボールをスティールした直後だった。
⇒(a)A2/テクニカル・ファウル、A2/ターンオーバー
⇒(b)A3/ターンオーバー(ボールハンドリング)、B5/スティール、A2/テクニカル・ファウル
A2 にテクニカル・ファウルが宣告されたとき、チーム A はボールポゼッションに無かったためターンオーバーは記録されない。

11.A4 は B5 によってコーナーに追い込まれている。A4 は状況を変えようとした。
(a)トラベリングが宣告された。
(b)A1 にパスをしたが、B5 がボールをはじき、最終的に B1 がインターセプトした。
(c)A1 にパスをしたが、B1 がインターセプトした。B5 はボールに触れていない。
⇒(a)A4/ターンオーバー(トラベリング)
⇒(b)A4/ターンオーバー(バッドパス)、B5/スティール
⇒(c)A4/ターンオーバー(バッドパス)、B1/スティール

12.A3 は A5 にパスをしたが、B3 がボールに偶発的に触れ軌道が変わった。A5 と B5 がルーズボールを追った。
(a)アウト・オブ・バウンズになる前のほんの数秒、B5 がボールをコントロールしているように見えた。
(b)A5 がボールを奪う前のほんの数秒前に B5 がボールをコントロールしているように見えた。
(c)B5 がボールを拾い、数回ドリブルした後、パスをしたが A4 にインターセプトされた。
⇒(a)ポゼッションは変わらなかったとみなし、スタッツは記録されない。
⇒(b)ポゼッションは変わらなかったとみなすし、スタッツは記録されない。
⇒(c)A3/ターンオーバー(バッドパス)、B5/スティール、B5/ターンオーバー(バッドパス)、A4/スティール

13.A1 は A2 に悪いパスをした。A2 はボールを拾おうとバックコートにボールをティップし A3 がそれを拾ったが、バックコート・バイオレーションが宣告された。
⇒A1/ターンオーバー(バッドパス)

【アシスト】

アシストとは、チームメイトの得点に直接的に繋がるパスのことを言う。
・ペイントエリア内にいるプレーヤーへのパスで、プレーヤーがペイントエリアの中から得点した場合は必ずアシストが記録される。
・ペイントエリア外のプレーヤーへのパスで、プレーヤーが一度もドリブルせず得点した場合は必ずアシストが記録される。
・ペイントエリア外のプレーヤーへのパスで、プレーヤーが 1 回または複数回ドリブルして得点した場合でもプレーヤーがディフェンスをかわす必要がなければアシストが記録される。
・ペイントエリア外のプレーヤーへのパスで、ディフェンスがシューターの目の前に正対し、バスケットとの間に位置する 1on1 の状況で、プレーヤーが 1 回または複数回ドリブルして得点した場合でも、ディフェンスをかわす必要がなければアシストを記録する。
ヘルプサイドのディフェンスは気にしなくて良い。
・オフェンス選手が 1on1 の状況でドライブをした場合、下記 2 点を満たせば、アシストは記録される。
>パスをもらって即座にバスケットに向かってドライブし、かつ
>ディフェンスがバランスを崩している。
・ハーフコート(フロントコート)内でのファスト・ブレイク・シチュエーションのパスでも同様、アシストが記録される。
得点するとは、フリースローも含まれる。パスをもらいシュートモーション中であったプレーヤーがファウルされた時、1 本でもフリースローが決まれば FGM と同じように AS が記録される。
その上で、以下のルールが適用される。
・プレーヤーが得点したとき、1 つのアシストしか記録することはできない。
・シュートの前の最後のパスのみがアシストとして記録される。(たとえ、2 つ前のパスがプレーのきっかけを作っていたとしても。)
・得点の距離、種類、難易度は関係ない。
・ファスト・ブレイク・シチュエーションでプレーヤーが得点前に受け取った最後のパスが自分のハーフコート(バックコート)であった場合、アシストは記録されない。
・パスがはじかれ、最初に予定していたプレーヤーを違うプレーヤーがボールを受け取った場合は、アシストは記録されない。

〇例題

1.リバウンドをとった後、A5 はコート全体通るパスをした。A4 はレイアップを失敗したが、リバウンドを取り得点する時間があった。
⇒得点とパスの間に FGA とオフェンスリバウンドがあったため、アシストは記録されない。

2.A5 は A4 にパスをしたが、A4 は一瞬ためらい、カットインしてくる A3 にパスをしようと目を向けたが、自分でショットし成功した。
⇒A4/FGA、A4/FGM、A5/アシスト

3.A5 は A4 にパスをし、A4 はバランスをとるために 1 回ドリブルをした。その後シュートを放ち成功させた。
⇒A4 がディフェンスにガードされていなかったら、A5 にアシストを記録する。

4.A4 はコート全体を通るパスを A5 にした。A5 は、邪魔をする人がいなかった A3 の成功したレイアップに
ボールを手渡すだけでよかった。
⇒A4 がきっかけを作っていても、得点の前の最後のパスではなかった。A5 にアシストが記録される。

5.A3 は A5 にパスをした。A5 は B3 に近くでガードされていた。A5 はフェイクやターン、1 回のドリブルをしてダンクをした。
(a)パスを、ペイントエリア内でもらった。
(b)パスをペイントエリアの外でもらった。
⇒(a)A5/FGA、A5/FGM、A3/アシスト
⇒(b)A5/FGA、A5/FGM アシストは記録されない

6.B1 はボールをスティールし、B2 にパスをした。B2 はセンターラインあたりにディフェンスの前でパスをもらった後、相手のバスケットにドリブルし、レイアップをした。
⇒B1 にアシストを記録

7.シュート失敗の後、A2 はディフェンスリバウンドを取った。自分のスリー・ポイント・ラインにいる A3 にパスをし、A3 はコートの端から端へ行き、レイアップをした。
⇒A3 はバックコートでパスを受けたため、アシストは記録されない。

8.シュート失敗の後、A2 はディフェンスリバウンドをとり、ハーフコート(バックコート)にいるディフェンスの前にいる A3 にロングパスをした。
(a)B3 は A3 のファスト・ブレイクを止めるためにファウルをし、アンスポが宣告された。
(b)B4 が A4 のレイアップ中にパーソナル・ファウル(シューティング)をした。
いずれのケースでも、A3 は 2 本のフリースローが与えられ、1 本目を成功させ、2 本目を失敗した。
⇒(a)B3/アンスポーツマンライク、・ファウル、A3/ファウルドローン、A3/FTA、FTM アシストは記録されない。
⇒(b)B4/パーソナルファウル、A3/ファウルドローン、A3/FTA、FTM、A2/アシスト

9.A1 は、相手のバスケットの近くのベースラインにボールをバウンズさせ A3 にパスをし、A3 は FGM を得点した。
⇒A1 にアシストを記録する。
10.A2 からのパスの直後、A3 はシュートモーション中にファウルをされた。A3 は 1 本目を失敗し、2 本目を成功させた。
⇒A3/FTA、A3/FTA、FTM、A2/アシスト

【スティール】

スティールは、ディフェンスプレーヤーの行動が相手プレーヤーのターンオーバーを引き起こした際に記録される。
スティールは必ず、ボールに触れてなければいけないが、必ずしもコントロールしている必要はない。
・インターセプトまたはボールをはじいた時
・ボールを持っているまたはドリブルをしている相手からボールを奪った時
・オフェンスプレーヤーのミスの後のルーズボールを拾ったとき
ボールがデッドになり、ディフェンスがアウト・オブ・バウンズでポゼッションを得ても、スティールは記録されない。
たとえ、ディフェンスプレーヤーの行動でターンオーバーが起こっても。
ボールがデッドになった時で唯一スティールが記録されるのは、ディフェンスプレーヤーの行動の結果ヘルドボールになり、ディフェンスチームがオルタネイティング・ポゼッション・ルールによりポゼッションを得た時のみである。
ディフェンスプレーヤーにスティールが記録されるには、オフェンスプレーヤーにターンオーバーも記録されなければならない。(逆は成立するものではなく、ターンオーバーが記録されても、スティールが記録されるものではない。)
どのシチュエーションでも、1 人以上のディフェンスプレーヤーが関わっている場合、一番最初にボールをはじきターンオーバーのきっかけとなった人にスティールが記録される。

〇例題

1.A5 はドリブルをしていたが、ハンドリングミスをし B4 の方向へ転がっていき、B4 は動くことなくリカバリーした。
⇒A5/ターンオーバー(ボールハンドリング)、B4/スティール

2.A5 はドリブルをしていたところ、B5 がボールを B2 の方向へはじいた。
⇒A5/ターンオーバー(ボールハンドリング)、B5/スティール

3.B2 は A2 に対してハードディフェンスをし、A2 のバイオレーションを引き起こさせた。B2 はボールに触れていない。
⇒A2/ターンオーバー(バイオレーション) スティールは記録されない。

4.A4 から A5 へのパスを B5 がはじいた。A5 はなおキャッチしようとしたが、サイドラインの外にはじくことしかできなかった。チーム B がスローインを獲得した。
⇒A4/ターンオーバー(パッシング) スティールは記録されない。

5.A4 から A5 へのパスを B5 がはじいたが、コート上のスペースで A5 と B2 の両者がボールをつかみ、ヘルドボールがコールされた。チーム B がスローインを獲得した。(オルタネイティング・ポゼッション)
⇒A4/ターンオーバー(パッシング)、B5/スティール A5 と B2 にはスタッツの記録はない

6.A2 はパスをしたが、そのままアウト・オブ・バウンズになった。
⇒スティールは記録されないが、A2 はターンオーバー(パッシング)が記録される。

7.A1 はドリブルをしていたが、意図なくドリブルが足に当たった。ボールはコート上を転がり、B2 がボールを拾った。
⇒A1/ターンオーバー(ボールハンドリング)、B2/スティール

8.ゲーム開始のジャンプボールでチーム A がポゼッションを得た。
⇒ジャンプボールの前にどちらもポゼッションを持っていなかったため、スティールは記録されない。

9.A4 は FGA を失敗し、ボールはリングの縁に当たり床に落ちた。B2 がボールをキャッチした。
⇒A4/FGA、B2/ディフェンスリバウンド スティールは記録されない。

10.A1 はバスケットに向かってドライブをしていたところ、B2 はこの動きを先読みしオフェンスファウルを引き起こした。
A1 はオフェンスファウルがコールされた。
⇒A1/ターンオーバー(オフェンスファウル) スティールは記録されない。

【ブロックショット】

プレーヤーがボールの軌道を変えようとボールに触れて、FGA が失敗した時にブロックショットが記録される。
ディフェンスプレーヤーが明確にボールをはじいたり、軌道を断った時に記録される。
ボールがシューターの手を離れているか、離れていないかは、ブロックショットを記録する際は関係ない。
スタッツで意味するシュートアクトは、プレーヤーがシュートの意図でバスケットに向かって、上向きまたは前向き、または両方にアクトしていることをいう。
・ボールが肩の高さより高いところにある時、FGA、ブロックショット、リバウンドが記録される。
・肩より低い位置にあった時に、ディフェンスがポゼッションを得た時はターンオーバー、スティールが記録される。
同じシチュエーションでオフェンスがポゼッションを得た時は、スタッツは記録されない。
他の失敗した FGA 同様、ブロックショットにはリバウンドが続けて記録されなければならないが、ピリオドエンドのブザーが鳴ったり、24 秒バイオレーションがあった際は除く。

〇例題

1.A5 はシュートを打ったが B5 がブロックをしようとボールに触れた。しかし、ボールがバスケットの中に入っていった。
⇒バスケットの中に入ったため、B5 が触れたのは軌道を変えたとはいえない。ボールに触れたことは無視し、A5 に FGA と FGM を記録する。B5 にはブロックショットは記録されない。

2.A5 はダンクをしようとしていたが、ボールが A5 の腰の位置にあり手を離れる前に、B5 にボールを奪われた。
B4 にボールはリカバリーされた。
⇒A5/ターンオーバー(ボールハンドリング)、B5/スティール

3.制限区域内を A5 はドリブルをしていたが、B5 にボールを奪われた。ボールは B4 の手元にいった。
⇒A5/ターンオーバー(バールハンドリング)、B5/スティール

4.A2 は FGA を放った。
(a)ボールが上向きの動きの最中に B4 にブロックされ、ボールはアウト・オブ・バウンズになった
(b)ボールがバスケットに向かって落ちている時に、B4 にブロックされたが、審判にディフェンスゴールテンディングがコールされた。
⇒(a)A2/FGA、B4/ ブロックショット、オフェンスチーム/チームリバウンド
⇒(b)A2/FGA、FGM

5.A3 が 3P ジャンプショットをし、B4 にブロックされた。A3 はボールをキャッチし、すぐにもう 1 度 3P ジャンプショットを打ち、成功させた。
⇒A3/3FGA、B4/ブロックショット、A3/オフェンスリバウンド、A3/3FGA、3FGM

6.A2 は 3P ジャンプショットを放った。ボールはリングに当たり、ボールがリングに入らないように B1 はボールをティップした。A3 がルーズボールを拾った。
⇒A2/3PFGA、A3/オフェンスリバウンド ボールがリングに当たった後はブロックショットは記録できない。

7.A1はバスケットに向かってドリブルをしていて、シュートアクト中にB1 からファウルをされた。シュートを放つことはしたが、ヘルプサイドのディフェンス B2 にブロックされた。(決まっていれば、FGM となった)
⇒B1/パーソナルファウル、A1/ファウルドローン この場面では、その他のスタッツは記録されない。
(シューターがファウルされたため FGA は記録されず、FGA が記録されないためブロックショットも記録はできない。)

【ファウル】

審判の判断に基づき、プレーヤーにファウルがコールされる。
パーソナル、テクニカル、アンスポーツマンライク、ディスクォリファイングのファウルがプレーヤーに記録される。
テクニカル、ディスクォリファイングのファウルはコーチ、チームベンチパーソネルにコールされる場合もある。
ソフトウェア入力でも必要なため、ファウルの区別ができることは大切である。
コーチやチームベンチパーソネルに宣告されたテクニカル、ディスクォリファイングのファウルはコーチに記録され、チームファウルはカウントされない。
ケースによって、ソフトウェアでは【シューティングファウル】か【シューティングファウルではない】の見分けをしなければならない。
レフェリーが【ショットの動作中のプレーヤーへのファウル】とコールしたファウルはシューティングファウルとなる。
チームファウルはシューティングファウルではないため、ファウルの結果フリースローが与えられるもののみが対象となる。

〇ファウルドローン

プレーヤーがファウルされた時は、そのプレーヤーにファウルドローンが記録される。
ディスクォリファイング・ファウルの時、身体的にプレーヤーにファウルがされた場合は、そのプレーヤーにファウルドローンが記録される。

〇例題

1.A3 はドリブルをしていたら、B2 に対してチャージングが宣告された。
⇒A3/ターンオーバー(オフェンスファウル)、A3/パーソナルファウル、B2/ファウルドローン B2 にはスティールは記録されない。

2.A2 は B2 にファウルされた時ボールを持っていた。
⇒B2/パーソナルファウル、A2/ファウルドローン

3.A1 はディスクォリファイイングファールを宣告された。
(a)審判を侮辱したため、ファウルを宣告された。
(b)B2 を肘で打った。
⇒(a)A1/ディスクォリファイング・ファウル、A1/ターンオーバー
⇒(b)A1/ディスクォリファイング・ファウル、A1/ターンオーバー、B2/ファウルドローン

【参照 A ショットの種類 FIBA LIVE STATS】

ソフトウェアではショットの種類の入力が求められる。種類は以下の通りである。
〇ジャンプショット
空中にジャンプしながら、通常はピークでボールをリリースするショット。3 ポイントを含む、ミドルや長いレンジのショットで頻繁に使用される。

〇レイアップ
近いレンジのショットであり、通常バックボードにボールをバンクさせるが、リングに直接入れるショットも含む。
一般的に、ボールをワンハンドで下から上へあげ、可能な限りリングに近い距離で行うショットである。
また、レイアップは選手がバスケットの隣でボールを手にするため、早いショットになることもある。

〇ドライビングレイアップ
ディフェンスがセットされている事、後ろにいる事、速攻である事に関わらずドリブル・ドライブに続いて行う近いレンジのショット。
ショットは一般的にバックボードにボールをバンクするが、リングに直接入れるショットの事も言う。

〇ダンク
ダンクは選手がボールをリングより高い位置に持っていき、片手または両手でフープに叩きつけて、選手がリングに触れるショットを指す。

〇プットバックダンク
オフェンスプレーヤーがオフェンスリバウンドをして、すぐに片手または両手でボールを叩きつけ、フープを通し、その選手がリングに触れるショットを指す。

〇プットバックティップイン
オフェンスプレーヤーがオフェンスリバウンドをし、すぐにバスケットの側で得点を決めるショットを言う。
多くの場合は、プレーヤーがジャンプして着地をする前に片手でショットをティップする。

〇アリウープ
空中でボールをキャッチして、着地前にレイアップやダンクでショットをする。

〇フックショット
片手でボールを持ち、バスケットから遠い方の手を伸ばし頭を越え弧を描きながら行うショット。

〇フローティング・ジャンプショット
リングから少し離れた距離から、レイアップのようなステップで踏み切り行うショット。
走る、ドリブル、キャッチの動作に続くことが可能で、バンクや直接狙うこともあるが、一般的に高い弧を描きブロックされないように行う。

〇フェイドアウェイ・ジャンプショット
プレーヤーがバスケットから遠ざかりながらジャンプをして行うショット。
このショットはディフェンスとの距離を作るために使われ、コート上のどこからも行うことができ、上にも横にもジャンプすることがある。

〇ターンアラウンド・ジャンプショット
プレーヤーがバスケットに背中を向けながらボールを受け取り、バスケットに向かいながらジャンプショット行うことを指す。
180 度回転することもあるが、一部のみ回転し横を向きながら打つこともある。

〇ステップバック・ジャンプショット
プレーヤーがフェイクでドライブをし、ディフェンスとの距離を作るために止まって一歩下がって行う。

〇プルアップ・ジャンプショット
ドリブル中に素早く止まり、ジャンプショットを行う。
通常、この際ディフェンスはドライブのディフェンス中の低い姿勢のままであることが多い。

【参照 B ターンオーバーの種類 FIBA LIVE STATS】

下記リストは、ターンオーバーの種類が記載されている
〇バッドパス
〇ボールハンドリング/ファンブリング
〇アウト・オブ・バウンズ
〇トラベリング
〇3 秒
〇5 秒
〇8 秒
〇24 秒
〇バックコート・バイオレーション
〇オフェンスファウル
〇テクニカル/ディスクォリファイング・ファウル(ポゼッションがある時のみ)
〇オフェンシブ・ゴールテンディング
〇ダブルドリブル
〇キャリイング/パーミング
〇他

【参照 C 付属データ FIBA LIVE STATS】

ここでは、直接スタティスティシャンの業務と関連はないが、ソフトウェアによって自動的に算出される付属データについて記載している。
・時間/プレイタイム
全てのプレーヤー交代はソフトウェアに入力される。
それにより各プレーヤーのプレイタイムが計算される。
出場時間が分しか表記されない時があるが、その際は下記に従い秒数の繰上げ、繰り下げが行われる。
・30 秒未満のプレイタイムは繰り下げられる。
・30 秒以上のプレイタイムは繰り上げられる。
・1 分未満の場合は、秒数に関わらず繰り上げられ 1 分となる。
・39 分以上のプレイタイムがある場合は、秒数に関わらず繰り下げられる。これは、プレーヤーが 40 分フルで出場していることにならないため。
・コートに一度も出なかったプレーヤーはプレイタイムの代わりに、DNP(did not play)が表示される。
DNP はプレーヤーの出場ゲームとしてカウントしないことを意味している。

〇ポインツ・イン・ザ・ペイント
制限区域内からの FGM による得点の合計得点数をさす。全てのシュートの種類はココに含まれる。

〇ポインツ・オフ・ターンオーバー
相手のターンオーバーから得点した合計得点数をさす。
アウト・オブ・バウンズや、ターンオーバーの種類は関係なく、アウト・オブ・バウンズになったとしても FGM または FTM からの得点の場合はカウントされる。
ただし、FGA または FGM の後、ディフェンス選手にコールされたファウルを含め、新たなポゼッションでの FGM、FTM はカウントされない。

〇セカンドチャンス・ポイント
相手がポゼッションを得る前のオフェンスリバウンドのあとの得点の合計得点数をさす。
アウト・オブ・バウンズや、ターンオーバーの種類は関係なく、また FGM または FTM でもカウントされる。
ただし、FGA または FGM の後、ディフェンス選手にコールされたファウルを含め、新たなポゼッションでの FGM、FTM はカウントされない。

〇ベンチ・ポインツ
スターティング 5 のプレーヤーを除いたチーム全体の合計得点数をさす。

〇スコア・タイ
0-0 を除き、ゲーム中スコアが並んだ回数をさす。

〇リード・チェンジ
1 つのチームからもう一方のチームにリードが変わった回数の合計回数をさす。

〇ラージェスト・リード(最大リード)
ゲーム中の各チームの最大リード得点数をさす。いつ起こったかも表示される。(ピリオド・時間)

〇ラージェスト・スコアリング・ラン (最大連続得点数)
片方のチームが開いてチームに得点されること無く、最大の連続得点数。