オフボールスクリーン(ピック)の種類とコツ、オフェンスの80%はオフボールである

【オフボールスクリーン二行まとめ】
☑ピックの種類ごとにポイントが異なる
☑練習では「ずれ」で満足せず、しっかりかけることを意識する

オンボールスクリーンに比べてオフボールスクリーンは、そもそもスクリーンがかからないなど、得意不得意の差が大きい気がします。
オンボールピックがサイドにセットすることが多いのに対して、オフボールスクリーンは種類ごとにコツが異なるからだと考えております。
正面からかけるフロントスクリーン、横からかけるサイドスクリーン、背後からかけるバックスクリーン(フラットスクリーン)、すべてコツが異なります。
種類の違うスクリーンを全部同じスクリーンとしてセットしようとしても、なかなかうまくいきません。
そこで、種類ごとのスクリーンのコツを解説します。
念のため、サイト内での用語の整理をします。
「スクリーン」と「ピック」は同じ意味で使っています。
スクリーンを使う人を「ユーザー」、オンボールで使う人を「ハンドラー」と呼びます。
スクリーンをかける人を「スクリナー」または「ピックマン」と呼びます。

【オフボールスクリーンの種類】

オフボールでのアウトサイドプレイヤー(ユーザー)とインサイドプレイヤー(スクリナー)の組み合わせのスクリーンプレイです。
この4つだけを抑えておけば十分です。
カッコ内の方向はユーザーの方向です。

・アップスクリーン(下)
・ダウンスクリーン(上)
・フレアスクリーン(外)
・アウェイスクリーン(中)

〇アップスクリーン

スクリナーがエンドライン方向から、アップしてセットするスクリーンです。
この形で多いのは、ターゲットの背後からかける形(バックスクリーン)です。
ルール上では、ディフェンスがよけられるように一歩の距離をあけるよう指示がありますが、私はシール(ターゲットにくっつく)までやるべきだと思います。
NBAでも、Bリーグ・Wリーグでも、クラブでも、学生でも、この手のファウルを吹かれたのを見たことがありません。(吹かれたら試合中にアジャストすればいい)
ターゲットの背後からかけられるので、シールが簡単にできます。
ユーザーは、一度フェイクを入れて、ゴール方向に素早くカッティングします。
通常は、ノーマークにならないよう、もう一人のディフェンスがバンプすると思うので、当たり負けしなければ、ゴールの可能性が生まれます。
コツ:スクリナーはシール。ユーザーはフェイク+素早いカッティング。

〇ダウンスクリーン

スクリナーがエンドライン方向に、ダウンしてセットするスクリーンです。
ダウンスクリーンが一番、得手不得手がはっきりするスクリーンだと思います。
この形で多いのは、ターゲットの正面からかける形(フロントスクリーン)で、いわゆるスタックの形になります。
ターゲットに見られながらかけるので、無理やりシールできません。
なので、スクリナーよりもユーザーが頭を使う必要があります。
ディフェンスの位置を見ながら、レギュラーカット、バックドアカット、カールカット、フレアカットなどを選択します。
ユーザーの動きが大事なので、ブラッシングを特に意識してやります。
ナスティプレイ(汚いプレイ)になるので、あまり推奨できませんが、スクリナーにおすすめの動きがあります。
スクリーン&ダイブという言葉があり、スクリナーは通常、スクリーン後にリングへダイブします。
ターゲットがスクリナーよりもリング側にいる場合は、このダイブを利用して、ターゲットに体をぶつけてしまいます。
スクリーンっぽくやってしまうと、ムービングスクリーンになりますので、ダイブっぽくやります。
コツ:ユーザーはディフェンスの動きに合わせて選択+ブラッシング。

〇フレアスクリーン

フレアとは、「広がる」という意味です。
主に、コーナー(0度)方向にリングから離れるフレアカットを意図したスクリーンです。
なので、スクリナーは外側から横向きに(サイドスクリーン)スクリーンをかけます。
外側に広がる動きなので、ディフェンスの警戒感が薄く、スイッチやバンプしてまで止めようとはあまりなりません。
しかし、3Pでノーマークになりやすいので、個人的にはおすすめのスクリーンプレイです。
スクリナーはシールまでしますが、ターゲットの足を両足で挟むと、ターゲットの動きを封じやすいです。
ユーザーはボールから目を離さず、横歩きまたはバックランで広がります。
コツ:スクリナーはシール+足で挟む。

〇アウェイスクリーン

アウェイとは敵地などのことです。ホーム&アウェイのアウェイですね。
アウェイスクリーンとは、スクリナーがボールから離れる方向にスクリーンすることです。
フレックスカットなどを生み出すスクリーンとなります。
フレックスとは、フレアの反対に、リング方向にカッティングする動きです。
日本ではフレックスタイムという言葉が先行しているので、初めて聞くと、時間差?入れ替わる?などのように解釈し、よくわかりませんでした。
フレックスの意味は、「畳む、曲げる」です。
フレックスカットを生み出す動きなので、フレックススクリーンなどと呼ぶこともあります。
スクリナーはフレアの時と同様にシール+足。
ユーザーは、アップスクリーンの時と同じく、フェイク&素早いカッティングです。
コツ:スクリナーはシール+足挟み。ユーザーはフェイク+素早いカッティング。

【スクリーンプレイのコツ】

スクリーンが効果的になる5つのポイントです。
参考:17 Basketball Screens All Players and Coaches Must Know

〇コツ1:しっかりと離れる

近い距離からセットしてスクリーンするのではなく、少し離れた位置からランニングで近づきスクリーンをかけます。
またスクリーンをかけた後はリピックなどを除き、再び離れる(ダイブやポップ等)ことでユーザーの選択肢も広がります。
早く離れすぎないようにも注意してください。

〇コツ2:スクリーンの角度を意識する

スクリーンをかける際に角度を強調するコーチはほとんどいません。
また、最高の角度でスクリーンをかけることに集中するプレイヤーもほとんどいません。
オンボールスクリーンをかける時は、スクリーンをディフェンダーの背中にセットします。
オフボールスクリーンをかける時は、チームメイトが行きたい方向に背中を向けてセットします。
これら2つのガイドラインに従うと、98%のケースでスクリーンが効果的になります。

〇コツ3:スクリーンがかかっていることを伝える

スクリーンをかける時、スクリナーがディフェンスに物理的に接触していることを、ユーザーは確認する必要があります。
スクリーンがかかっていないと、ディフェンダーは動いて、スクリナーを容易にかわしてしまいます。
なのでファウルにならない程度に接触を強くするか、声でスクリーンがかかっていることを知らせます。

〇コツ4:押し負けない姿勢

スクリーンのバランスが崩れやすい場合、スクリーンは効果的ではありません。
足を肩幅に広げ、膝をわずかに曲げ、腕を体の近くに押し込んでスクリーンをセットするよう、プレイヤーに教えます。

〇コツ5:スクリーンをキープする

スクリーンは、ディフェンダーがスクリーンを回避するまで位置を保持します。
スリップなどの時を除いて、スクリーンがかかってないのに動いてしまうと、本来の目的であるディフェンスの動きを止める時間が短くなります。
しっかりと留まってから、離れるときは素早く動きます。

【特に練習ではスクリーンをしっかりかけることを意識する】

バスケットボールでは5人が1個のボールをシェアして攻撃します。
つまり、オフェンスの4/5の時間帯に当たる80%はオフボールの動きとなります。
オフボールでは、スペーシングとスクリーンプレイがとても重要となります。
なので、スクリーン技術の向上はそのままバスケットボール技術の向上につながります。
スクリーンプレイはうまくかからなくてもズレを生み出すことができます。
このわずかなズレ程度でも、上手なプレイヤーは、得点に結びつけることができます。
しかし、練習では小さなズレを作る程度で満足せず、しっかりとスクリーンをかけることを意識して取り組んでください。
一度、ピックしてかからなければ、リピックしてしっかりかけることが大事です。

【スクリーンの全種類】

最後は資料として、思い付く限りのスクリーンの種類をあげます。

〇オンorオフの分類

・オンボールスクリーン:ボールマンディフェンスにスクリーンすることです。

・オフボールスクリーン:ボールを持っていない選手のディフェンスにスクリーンすることです。アウトスクリーンと呼ぶ人もいました。

〇ターゲットへの向きによる分類

・フロントスクリーン:ターゲットの正面からかけるスクリーンです。
・バックスクリーン:ターゲットの背後からかけるスクリーンです。

・サイドスクリーン:ターゲットの側面にかけるスクリーンです。一般的なスクリーンとなります。

〇ターゲットへの角度による分類

・フラットスクリーン:ターゲットと平行にかけるスクリーンです。バックスクリーンに多いです。フラットは「平(たいら)」という意味です。

・バーティカルスクリーン:ターゲットに垂直にかけるスクリーンです。バーティカルは「垂直」という意味です。
・アングルスクリーン:ターゲットに斜めにかけるスクリーンです。ファイトオーバーさせたい時やスイッチさせたい時に使います。アングルは「角度」という意味です。

〇スクリナーの移動方法による分類

・アップスクリーン:スクリナーがエンドラインから上がってスクリーンすることです。
・ダウンスクリーン:スクリナーがエンドライン側に下ってスクリーンすることです。
・ピンダウンスクリーン:ダウンスクリーンとほぼ同義ですが、特にターゲットをピン(針)で動きを止めることを強調して使います。
・アウェイスクリーン:スクリナーがボールから離れる方向にスクリーンすることです。アウェイは「向こうに」という意味です。
・クロススクリーン:スクリナーがミドルライン(コート中央の縦の仮想ライン)を横切ってスクリーンすることです。

・ダイアゴナルスクリーン:スクリナーが対角線に斜めに移動してスクリーンすることです。ダイアゴナルは「対角線」という意味です。

〇スクリーンのセットがコートの内側か外側かによる分類

・インサイドスクリーン:ミドルライン側(コートの内側)にセットするスクリーンです。オンボールのウイングピックの時はインサイドスクリーンがおすすめです。
・アウトサイドスクリーン:ベースライン側(コートの外側)にセットするスクリーンです。

〇ユーザーのカッティングによる分類

・フレアスクリーン:ユーザーがボールから離れるようにカッティングするようスクリーンすることです。フレアは「広がる」という意味です。

・フレックススクリーン:ユーザーがコートの外側から内側(横)にカッティングするようスクリーンすることです。フレックスは「折りたたむ」という意味です。

〇スクリーンの回数による分類

・リピック(リスクリーン):同じスクリナーが方向を変えて二回スクリーンすることです。
もし一回のスクリーンでかからなかった場合は、もう一度スクリーン(リスクリーン)をかければ、一回目よりもかけやすくなります。
ダウンスクリーンからのアップスクリーンなどは個人的には好きです。

・インバート:リスクリーンのひとつで、ユーザーとスクリナーが入れ替わって、二回目のスクリーンをすることです。
アップスクリーンの後に、スクリナーとユーザーが入れ替わってのアップスクリーンは引っかかりやすいです。

〇スクリナーが2人いる時の分類

・ダブルスクリーン:二人のスクリナーが同じターゲットにセットするスクリーンです。左右両方にセットするケースもあります。

・スタッガードスクリーン:二人のスクリナーが同じターゲットに少し離れてセットするスクリーンです。スタッガードは「千鳥配列(斜めに配置みたいなニュアンス)」という意味。

・エレベータースクリーン:二人並んだ状態でスクリーンをかけ、ユーザーが間を抜けます。

・スクリーントゥザスクリナー(STS)、ピックザピッカー:ディフェンスにスクリーンをかけているスクリナーのディフェンスにスクリーンを同じタイミングでセットすることです。

〇セットオフェンスとしてのスクリーン

セットオフェンスとして使われるスクリーンです。
・UCLAスクリーン:トップのオフェンスがハイポのスクリーンを使ってダウンすることです。UCLAとはカリフォルニア大学ロサンゼルス校の略称です。

・フロッピースクリーン:両ウイングがゴール下でスクリーンを使ってスクリナーとユーザーの両方がもう一個ずつのスクリーンを使ってウイングでオープンになるセットオフェンスです。うーん動画見て。


・ハマースクリーン:ウイングにバックスクリーンをかけてコーナーに動かすプレイです。やっぱり動画見て(笑)


・ホーンズスクリーン:ホーンズのアライメント(トップ+ダブルハイポ+ダブルコーナー)からダブルスクリーンをかけることです。


・ラムスクリーン:オンボールピックに行くピックマンに対してあらかじめオフボールスクリーンをかけることです。ramとは「うち固める」という意味です。


・ステップアップスクリーン:オンボールディフェンスの背後(フラットスクリーン)かつベースラインと並行にかけるスクリーンです。ハンドラーは縦に抜くイメージとなります。

〇オンボールスクリーン

オフボールスクリーンの特集ですが、一応、入れておきます。
・ハイピック:トップ(90度)の位置からセットするオンボールスクリーンのことです。現在の主流です。
・ウイングピック:ウイング(45度)の位置からセットするオンボールスクリーンのことです。昔は主流でした。ウイングとは「翼(左右の広がった部分)」という意味です。
・コーナーピック:コーナー(0度)の位置からセットするオンボールスクリーンのことです。使用頻度はあまり高くありません。コーナーとは「隅」のことです。
・ドラッグスクリーン:アーリーオフェンスでディフェンスがまだ戻り切れていない時にセットするオンボールスクリーンのことです。ドラッグは「引きずる、引き出す」という意味です。ディフェンスが整っていない状態(カオス)でハイピックが仕掛けられると、約束事のディフェンスで対応できず、連係ミスなどがうまれやすいです。



・ドリブルスクリーン:ドリブルしているプレイヤーが手渡しパス(ドリブル・ハンド・オフ、通称DHO)して、そのままスクリナーになることです。
・ピック&ロール(PnR):オンボールピックからスクリナーがダイブする代表的なコンビネーションプレイです。

・スペインピック(ダブルスクリーン・ポップ&ロール):ピック&ロールのピックマンに対して三人目がピックを仕掛ける(ピック・ザ・ピッカー)ムーブです。

〇そのほかのスクリーン関係

・ランニングスクリーン:スクリナーが走ってスクリーンをセットしに行くことです。スクリナーのディフェンスが遅れればディフェンスの対応が後手に回ります。(クロススクリーンはランニングスクリーンでかけます)
・コンタクトスクリーン(造語):スクリナーがターゲットに対してシール(体をくっつける)するようセットすることです。スクリーンがかかりやすくなるコツです。スクリーンをかけるのが下手なプレイヤーに伝わりやすくするために造りました。
プッシュスクリーン:スクリーンをした後、ダイブの要領でターゲットを押し込む(プッシュ)プレイです。強制的にスイッチさせて、ミスマッチを作ることが目的です。
・スプリットスクリーン:ボールマンがスクリーンを使って、自分のマークマンから離れること。
・スリップ:スクリーンをセットしたら、すぐキャンセルすることです。スリップは「滑る」という意味です。
・オウンユアースクリーン:オフェンスが自分のマークマンをスクリーンして、スイッチの対応をさせないことです。

・ポストトゥポストスクリーン:インサイド同士のスクリーンのことです。クロススクリーンでよく見かけます。
・アフタースクリーン:スクリナーがオフボールスクリーンの後に積極的にボールに絡む動きです。ユーザーとスクリナーの両方がボールをもらう意識を持てばパッサーの選択肢が広がります。
・スクリーンアウト:リバウンドに入る選手が、リバウンドで好位置を保つために、相手を押し出すこと。一応、入れておきました。
・ヘッドハントスクリーン:特定の選手をフリーにする目的のオフボールスクリーンのことです。
・ゴースティング:スクリーンをかけるかのように近づくものの、そのままスクリーンをかけずに通り過ぎることです。

他にも見かけたら、追加します。