ドリブル→止まる→相手にぶつける→自らキャッチ→再びドリブル。これってあり?

審判講習会で出された問題です。

【Q、再びドリブルはありかなしか?】

A1はドリブルを終えた後、B1に故意にボールを当て、そのボールをリカバーし、再びドリブルを始めた。
審判はそのままゲームを続けさせた。
審判の処置は正しかったか?(〇)間違えていたか?(×)

【A、再びドリブルの回答】

正しい(〇)

【解説】

24.2ドリブルを終えたあと
プレイヤーは、ひと続きのドリブルが終わったあとにあらたなドリブルをすることはできない。
ただし、次のことでボールのコントロールをいったん失ったあとふたたびボールをコントロールしたときは、あらたなドリブルをすることができる。
(1)フィールドゴールを放つ
(2)相手プレイヤ-がボールに触れる
(3)パスまたはファンブルしたボールが、他のプレイヤーに触れる

【ポイント】

〇相手にぶつけるというプレイ例

・ボールが出そうになった時、相手にぶつけてボールを出すプレイ。
・スローインの時に出しどころがなくて、相手にぶつけて出して、もう一度スローインをやり直すプレイ。
・スローインで、ディフェンスが後ろを向いて守っている場合、相手にぶつけて、自分でキャッチしてシュートするプレイ。
→相手にぶつけるプレイ自体は違反ではありません。
※顔面に投げたら、強さに応じて、テクニカルファウルの対象となります。

〇再びドリブルができるプレイ例

・ドリブルが終わり、保持している最中に相手がボールをはじき、手から離れた。
・ドリブルが終わり、味方にパスをしようとしたら、相手にぶつかり、それをキャッチした。
→自分以外の誰かが触る&自分の手からボールが離れる=ドリブルはリセット

〇コントロールとは?

では、「B1に故意にボールを当て」という行為がコントロールなのでは?と思った方もいると思います。(私とかね)
チームコントロールは定義がありましたが、個人のボールコントロールに関してはルールブック上で定義がありませんでした。
しかし、ドリブルの部分では下記の記載がありました。

24-1-2
ドリブルが始まるのは、コート上でライブのボールをコントロールしたプレイヤーが、ボールを投げたり叩いたり転がしたりしてフロアに触れさせたり、バックボードを狙ってボールを投げ当て、その後、他のプレイヤーが触れないうちに再びそのボールに触れたときである。
ドリブルが終わるのは、ドリブラーの両手が同時にボールに触れるか、片手または両手でボールを支え持ったときである。

つまり、事実上コントロールできていたかどうか?ではなく、他のプレイヤーが触れたかどうかで判断するそうです。
たしかにコントロールできていたかどうかなんて本人しかわからないので、審判としては「触った」という事実でとりあげるのが公平かつ現実的ですね。

【実際にできるかどうか?】

「相手にぶつけていいんだ!いいプレイじゃん」と思い、何回か試したことがあります。
しかし、ライン際で相手にぶつけてボールを出すことはできても、相手にぶつけたボールを自分でキャッチすることが意外に難しいです。
そして、ボールをぶつけると「何すんだよ」と、相手を不快にします。
こちらが「ルールで認められているから」と言っても、あんまり意味ありませんね。

ドリブルを止めてしまった後に私がよく使う手法としては、相手に背を向けて、ボールを手がギリギリ届く程度に少し無防備に保持します。
すると、相手がスナップするので、一瞬ボールを手から放します。(コントロールを失う)
すぐにキャッチして、カウンター気味にドリブルします。
相手がドリブルはないと思って油断していると簡単に抜けたりします。

【Q、再びドリブルはありかなしか?のまとめ】

ルール上はリーガル(OK)。
プレイとしては難しいし、相応しくない。
現実的には狙ってやるというよりかは、相手にぶつかった場合は再びドリブルができるという知識だけあればOKだと思います。