コーチやプレイヤーによる審判とのコミュニケーション

公認コーチ講習をE級→D級→C級とステップアップしたので、B級のカリキュラムを確認しました。
すると、今までに学んだことがなく、気になる項目がありました。
それは、「レフェリーとのコミュニケーション」です。

クラブチームだと強いチームほど、審判とも戦っている傾向にあります。
昔の葛飾バックボーンとかは結構、言う印象ですね。
それは勝ちたいという意識の表れでもあり、私もそれが正しいと思い、審判には過度にファウルをアピールしたり、文句を言ったりしていました。
その時は、テクニカルファウルのギリギリのラインを攻めて、審判をコントロールしようと考えていました。

しかし、最近では、そのような審判とのコミュニケーションは正しいものではなく、勝利至上主義の弊害であるように考えております。
では、どう審判とコミュニケーションをとっていくことが正しいのか考えるようになりましたが、よくわからず悶々としていました。
本当はしっかりとJBAの講習を受けたいのですが、B級を受けるためにはハードルが高いので、自分なりに考えてみました。
受講したことがある人がいれば、是非、内容をご教授ください。

【インテグリティの精神がベース】


BLG(Bリーグ)の作成資料です。
ここで最も重要なのは「インテグリティ(誠実・真摯)の精神をベースに、バスケットボールに関わる全員(ファミリー)で取り組む必要である」という部分ではないかと思います。
以前はスパルタ教育も当事者が納得していれば良いと思っていました。
しかし、第三者が見て異常と感じるものは、本人たちが納得していても良くないと思います。
新体操の速見佑斗コーチと宮川紗江選手の関係も、本人たちには強い絆があったとしても、テレビ報道を見ると異常に感じます。
話は日本体操協会の塚原夫妻のパワハラ問題や引き抜きに飛び火し、私は新体操業界が異常な集団なのではあと先入観がついてしまいました。
これは新体操のブランドやイメージを悪化させているのが、業界に関わる本人たちであるということです。
少しでもバスケットボールの価値を高めるために、クラブチームのプレイヤーも含めてファミリー全員が取り組む必要があると思います。

【チームx審判の関係性・コミュニケーション】


チームx審判の関係性・コミュニケーションの資料も抑えたいと思います。
まず、チームと審判の関係ですが、主役はチームと選手となっています。
そして、試合を構成するメンバーに審判の判定によって成り立つとなっています。
次にあるべきコミュニケーションを共有で、審判の判定には選手の理解をもって進められることが望まれるとなっています。
審判はプレイヤーに不要なフラストレーションを抱えさせることなく、プレーに集中させる環境を構築していくために正しいコミュニケーションをとる必要があると示しています。

【タフプレイとラフプレイの違い】

タフプレーとは「頑丈でたくましいプレー」のことです。
ラフプレーとは「規則にふれるような乱暴なプレー」のことです。
ぶつかりあうということにおいては似通っています。
タフとラフに違いがあるとしたら、「インテグリティの精神」があるかどうか?だと思います。
コンタクトスポーツであるバスケはフィジカルが大きく影響します。
よって、タフに体をぶつかりあう必要性がどうしても生じます。
しかし、そこにインテグリティの精神が欠如してしまうと、ラフプレイに発展します。

【ドローアファウルとフェイクアファウルの違い】

ドロー・ア・ファウルとは、ファウルをもらう技術です。
フェイク・ア・ファウルとは、ファウルをもらっているように審判を欺く行為です。
この二つも明確に切り分ける必要があります。

例えばドライブでファウルをされ、ボールをロストしてしまった場合。
笛が鳴らなければターンオーバーとしてミスとなり、逆速攻のリスクも発生します。
反対に笛が鳴れば、相手にファウルが計上され、フリースローを獲得することもできます。
これは合計で4点分相当の価値となります。
ターンオーバーとなるのか、フリースローとなるのかはプレイヤーの技量でも変化します。
特に帯同審判の場合は、プレイヤー次第でジャッジの変化が大きくなります。

対してフェイク・ア・ファウルの場合は、大した当たりでもないのにファウルをもらったようなフリをします。
最悪の場合は一切接触がないのにファウルをうけたように審判を欺きます。
NBAでは、フロッピングと呼び、罰金の対象となります。
その場ではファウルを吹いてもらえたとしても、後日にビデオ判定で判断されます。

この「ドロー・ア・ファウル」と「フェイク・ア・ファウル」の境界線もインテグリティの精神の有無だと思います。
大多数の観客が素晴らしい技術だと思うのか?リプレイ映像を見てみっともないプレイだと思うのか?を客観的に考えてみてください。

【審判とは戦うな】

「審判とは戦うな」とはよく言われる言葉です。
多くの場合は、「審判と戦って嫌われて、不利な判定をされるな」。
もしくは、「審判と戦うことで、冷静な判断ができずにプレイで自滅するな」という意味で使われると思います。

しかし、私はそうは思いません。
審判と戦って嫌われたとしても判定が不利になるとは限りません。
プロリーグなんかではありえないと思いますが、帯同審判なんかの場合は、自信なく不利な判定をすると文句を言ってきてうるさいから、迷ったら有利な判定をすることもあります。
審判と戦っても冷静なプレイができる人は戦ってもいいということにはなりません。
私は、バスケットボールファミリーとして、審判と戦うことでバスケットボール(および自分自身の)品格を落とすな」という風に捉えています。

【審判とは正しいコミュニケーションをとる】

審判とは戦わないといっても、コミュニケーションを断絶する必要はありません。
ルールブック上はキャプテンやコーチしか質問はできない規定となっています。
しかし、オンザコートでは、迷惑にならない程度にコミュニケーションを積極的にとる方がよいと思います。

自分では「ボールが手から離れてから軸足を動かした」と思っていたことも、審判に「キャッチの時は右足だったのに、ドライブの時は左足に軸足が変わっていたよ」等、思い込みとは別の要因を教えてもらえることもあります。
自分の中で、変なもやもやも消えるだろうし、次に同じプレイのジャッジがされないよう対策もとることができます。

【審判にアジャストする】

プレイヤーによって得意なプレイと苦手なプレイがあります。
審判にも、得意なジャッジと苦手なジャッジがあります。
笛が重い人、軽い人。
一貫性がある人、あまりない人。
位置取りがよくて多くのプレイを見れる人、位置取りが悪くてプレイを追えない人。
オンザコートを重視する人、ルールブックを重視する人とクセがあります。
これはゲームをしながら、プレイヤー自身が審判のクセにアジャストするしかないと思います。
そういう意味では、プレイヤーは審判と協力してゲームを成り立たせながらも、審判と戦って(アジャストして)有利にしていく必要があります。

【コーチやプレイヤーによる審判とのコミュニケーションのまとめ】

タフプレイとラフプレイ。
ドローアファウルとフェイクアファウル。
審判とのコミュニケーション。
すべてに共通するキーワードは「インテグリティの精神」となります。
バスケットボールファミリーの一員として、バスケットボールの品質や評判を向上させつつ、自チームにとって有利になるよう審判と上手にコミュニケーションをとっていきたいと思います。