スタッツとボックススコアの付け方、ケーススタディー

2023年1月現在で使っている最新版のスタッツ用マニュアルです。

ボックススコアとベーシックスタッツ
アドバンスドスタッツ
アドバンスドスタッツをつけてみた
スタッツのケーススタディー


【スタッツとボックススコアの付け方、ケーススタディー三行まとめ】
☑個人に記録できない場合はチームに記録する。
☑判断に迷った時は、そのプレイに対する個人の貢献度合を最重要視する。
☑スコアラーの判断のみで記録される。

【スタッツをつけるのは難しい】

「このリバウンドってどっちに記録するの?」
「これって誰のターンオーバーになるの?」
などなど判断に迷うケースが結構あります。
ケーススタディーに従って確認していきます。
参考とするのは、JBAによるBOXスコア規定マニュアルです。
マニュアルが2008年度版なのでちょっと古いのですが、当ページをみるよりもマニュアルをみてもらった方が確実です(笑)
そもそも基本的なスタッツの見方がわからない人はこちらのページへ

【スコアに関する考え方の基本】

・個人に記録できない場合はチームに記録する
シュートが失敗した場合には必ずリバウンドが発生するというのが原則です。
ただし、シュートミスしたボールが直接アウトオブバウンズになることもあり、その場合は誰のリバウンドにもすることができません。
個人に記録できない場合は「HC/TEAM」という場所に数字をつけます。
気を付けて欲しいのは「チーム」とは、「チ-ム合計」とは異なる項目が存在します。
当記事で「チーム」となっている場合は、チーム合計ではなく独立したチームの方を指します。

・判断に迷った時は、そのプレイに対する個人の貢献度合を最重要視する
例えばパスミスなどのように一つのプレイに二名以上が関わるケースが存在します。
プレイごとにそれぞれ原則が存在しますが、基本的には個人の貢献度合を最重要視します。

・スコアラーの判断のみで記録される
これ、結構大事ですね。
過去にNBAでトリプルダブルを狙ってわざとシュートを外してリバウンドを取ったプレイヤーがいたのですが、リバウンドを計測されなかったみたいです。
なので、すべてが杓子定規というわけではなく、最終的には、スコアラーの主観で判断されるってことです。

【フィールドゴールのケーススタディー】

・リバウンドのタップシュート成功
タップした選手のオフェンスリバウンドとシュート成功(試投および得点を自動的に含む)を記録します。

・シュートブロックされたボールをオフェンスが自分で拾った
まずシュートをブロックされたので、ディフェンス側のブロックシュートとオフェンス側のシュートミスを記録します。
続いて、シューターが自分でリカバリーしたので、オフェンスリバウンドを記録します。
例え、シュートがリングに当たってなくても、シュートと判断されれば、そのあとのボールコントロールはリバウンドを記録するということです。
尚、EFFではシュートミスで-1、オフェンスリバウンドで+1のプラスマイナス0ですね。

・シュートがバックボードの裏に触れた
シュートミス、および相手のチームディフェンスリバウンドを記録します。
フリースロー(二投中の一投目)とブザービーターを除くすべてのシュートミスにはリバウンドを記録します。
今回のように個人のリバウンドとして記録できない場合は、次にボールコントロールするチームリバウンドに記録します。

・シュート動作中にファウルされ、そのシュートが外れた
時系列順に説明すると、まずは相手チームのファウルとなります。
フリースローとなるシュートが失敗だった場合は、ファウル以外は何も記録しません。
しかし、ファウルされたシュートが成功だった場合は、シュート試投とシュート成功も記録します。

・バックコートからのブザービーター3Pシュート
シュートが成功した場合は3P試投と3P成功を記録しますが、シュートが失敗だった場合は何も記録しません。

・リバウンド争いなどで相手チームのバスケットにシュートを決めてしまった
サッカーでいうところのオウンゴールに該当するプレイです。
この場合は、相手チームにシュート試投・成功・得点を記録します。
以前は、相手チームのキャプテンの得点としていましたが、現在はチームの得点となります。

・単純に攻める方向を間違えて相手チームのバスケットにシュートを決めてしまった
得点はノーカウントとなります。
記録上は間違えてシュートを決めてしまった選手のターンオーバーを記録し、フリースローラインの延長線上から相手チームのスローインで再開します。
↑2024/06/24修正
偶然だけでなく、誤ってオウンゴールした場合も得点は認められます。

また、故意に相手チームのバスケットにシュートを決めてしまったら、ノーカウントとなり、さらにはテクニカルファウルの対象(遅延行為、冒涜行為、不正行為)となります。

なので、黒子のバスケの赤司征十郎のオウンゴールは、本当は、「ノーカウント」+「ターンオーバー」+「テクニカルファウル」で処理します。
※バスケットボールの場合、攻める方を相手チームのバスケット、守る方を自チームのバスケットと表現します。

・24秒オーバータイム
個人のターンオーバーではなく、チームのターンオーバーに記録します。
8秒オーバータイムも一緒です。
個人がボールをもらって、プレッシャーを受けたわけでもないのに、意味もなくゆっくりとボールを運んで、パスも出せるのに出さずに8秒オーバータイムになったら個人のターンオーバーとしてもよいと思います。

・シュートが空中にある時に24秒バイオレーションが鳴り、シュートしたボールはリングに当たらなかった
24秒が適用された場合は、シュートミス、ディフェンスのチームリバウンドとなります。
24秒が適用されなかった場合は、シュートミス、保持した選手のリバウンドとなります。

【フリースローのケーススタディー】

・2/2投目(または3/3投目)のオフェンスバイオレーション
シューター以外のバイオレーションは、シュートが成功した場合はフリースロー成功だけを記録し、違反を流します。
もし、シューターがリングにボールが当たる前に線を出てしまう等のバイオレーションがあった場合は、フリースローシュートの失敗と相手チームのディフェンスリバウンドを記録します。
ターンオーバーなどは記録しません。
シュートミスがあり、味方が早く出てしまったバイオレーションも、上記同様にフリースローシュートの失敗と相手チームのディフェンスリバウンドを記録します。

・2/2投目(または3/3投目)のディフェンスバイオレーション
フリースローのシュートが失敗した時に、ディフェンスがバイオレーションをした場合は、フリースローの失敗の記録をせずに、フリースローをやり直します。

【リバウンドのケーススタディー】

・相手と一緒にリバウンドを取り、ジャンプボールシチュエーションとなった
オルタネイティング・ポゼションでどっちのチームのボールになるか決まります。
次にボールをコントロールするチームのリバウンドに絡んだプレイヤーにリバウンドが記録されます。

・リバウンドでティップアウトしたボールを味方がキャッチした
意図的(コントロール)なら、テップしたプレイヤーのリバウンドになります。
偶発的(コントロールしていない)なら、そのあとにボールを保持したプレイヤーのリバウンドとなります。
意図的か偶発的かはスコアラーの主観となります。

・シュート後に誰もコントロールせずにアウトオブバウンズ
次にスローインする側のチームリバウンドとなります。

【アシストのケーススタディー】

・レシーバー(シュートした選手)が、フェイクをして得点した
アシストを記録しません。
アシストはレシーブしてシュートをうったプレイヤーにディフェンスを抜くなどの動作がなければ計測します。
よって、相手をかわす意図のないフェイク、体勢を整えるためのポンプフェイクなどは無視します。

・レシーバー(シュートした選手)が、ドリブルをしてシュートを決めた。
単にドリブルをしただけならばアシストを記録します。
ドリブルにより、相手をかわしていたらアシストを記録しません。

・パスしたボールが、ディフェンスの体に触れ、軌道が少し変わったが、レシーバーに届きシュートを決めた。
軌道が変わった程度ならば、アシストを記録します。
ディフェンスにぶつかったことで意図していないプレイヤーにボールが流れ、そのまま決めたとしてもアシストはつきません。

【ターンオーバーのケーススタディー】

・8秒、24秒オーバータイム
チームターンオーバーを記録します。

・パスによるターンオーバー
原則としては、責任の重い方にターンオーバーを記録します。
判断ができない場合はパッサーのターンオーバーを記録します。

・ボールを掴まれてジャンプボールシチュエーションになった
ポゼッションが自チームのままの場合は、何も記録せず、自チームのスローインで再開します。
ポゼッションが相手チームになってしまった場合は、ターンオーバーと相手のスティールを記録し、相手チームのスローインで再開します。
ジャンプボールシチュエーションは、ポゼッションによる影響を受けるので、同じプレイなのに数字がついたりつかなかったりと不公平ですけど、仕方ありません。

【スティールのケーススタディー】

・カットして転がったボールを、自チーム(カットした側)の別の選手がコントロールした
最初にボールをカットしたプレイヤーのスティールを記録します。
ただし、ものすごいダイブなどでボールを保持したプレイヤーの貢献度が著しく大きい場合は、コントロールしたプレイヤーのスティールとなります。

・ボールを奪いに行きジャンプボールシチュエーションとなり、オルタネイティング・ポゼション・ルールが適用され自チームボールとなった。
スティール(同時に相手のターンオーバー)を記録します。

【ブロックシュートのケーススタディー】

・指先がボールに触れ、シュートが失敗した
少しでも触れればブロックシュートを記録します。
三井のスリーポイントを爪で触った清田はブロック扱いとなります。

いや、これ触ってないだろ!?

・レイアップシュートのステップに入り、腰の辺りでボールをカットした。
シュートモーションならば、ブロックシュートを記録します。
シュートモーション前と判断したならば、スティールを記録します。
微妙なケースですね、スコアラーの主観頼りです。

・シュートをブロックして軌道が変わったが、シュートが成功した
シュートが入った場合は、ブロックシュートを記録しません。
3Pシュートに対して2Pエリアのディフェンスの手に触れて入った場合、以前は2P扱いでしたが、現在は3P扱いとなります。

・桜木花道の顔面シュート

湘北・宮城リョータのシュート試投
→山王・沢北栄治のブロックシュート&湘北・宮城リョータのシュートミス
→湘北・桜木花道のオフェンスリバウンド
→湘北・桜木花道のシュート成功
でいいと思います、多分。
というかスコアラーの主観ですね。
沢北のブロックを認めず、宮城の得点とすることも可能ですね。(いや、無理か)

【プレイイングタイムのケーススタディー】

個人の出場時間は、「29秒捨30秒入」の分単位で記録します。
出場時間の集計は、2Q終了後および試合終了後の2回行います。

・選手Aが1Qのスタメンで出場し、2Qの9分59秒に今まで出場していなかった選手Bと交代した
例外として1秒でも出れば1分として記録します。
なので、この場合は選手Aが19分、選手Bが1分の出場と記録します。

・試合に出場しなかった
DNP(Did Not Play)と表記します。

【最終的には経験】

ボックススコアを見る人は多いと思いますが、ボックススコアをつけようと思う人は稀ですよね。
だから、参考資料がほとんどありません。
なので審判と一緒で、経験が物を言うと思います。
「ん?このプレイはどう判断するんだっけ?」って時もあると思いますが、一度目撃したケースを確実に覚えていけば、迷うことなく判断できるようになると思います。

また、実際に自分が趣味でつけるならば、細かい部分は気にする必要はないと思います。
目的は分析なので、おおまかな傾向だけつかめればいいので、迷ったら直感で十分です。


ボックススコアとベーシックスタッツ
アドバンスドスタッツ
アドバンスドスタッツをつけてみた
スタッツのケーススタディー