NBLとbjの統合問題~現状維持バイアスから運動神経の良い組織へ~

あんにょん
大手町一家#99です。
今回は長いですが、あしからず。

【現状維持バイアス】

いきなりですが、現状維持バイアスとは、未体験のものは受け入れず、現状を維持したいとする心理作用のことです。
個人でも、組織でも、変化を嫌う傾向にあるケースが多いですが、常に変わることを望む意識を持ちたいですね。
確かに、何かが変わると、誰かに被害が及ぶ可能性も高いです。
だからと言って成長が止まってしまったらそこまで。
もう少し視点を広げれば、リスク以上のリターンを期待した英断ができるでしょう。

今回、随分抽象的な話になりましたが、何が言いたいかっていうと、NBLとbjリーグの統合。
双方に、統合による大きなデメリットが存在します。
この話、何回も書こうと思ったのですが、根が深すぎて、頭の中にまとまる前に、話がまとまってしまったので今更ですが、ネタにさせて頂きます。

【NBL所属の実業団】

NBLの実業団とは例えば、トヨタ・日立・東芝等が該当します。
NBLの実業団は、日本のトップレベルかつ、今までの日本のバスケを支えてきた実績があるものの、あくまでも会社の福利厚生としての位置付けとなります。
会社の業績が悪化すれば廃部になるリスクもありますが、興行で採算を取る必要がありません。

統合されて、実業団にプロ化を強制されると、(bj側の条件である)チーム名から企業名を取らなければならず、今まで協会に任せていた興行も、チームが担当しなければなりません。
また、トップ選手の立場としても、トヨタ・日立・東芝などの一流会社の社員から、将来の保障がないスポーツ選手となってしまう。
統合は、チームにとっても、選手にとっても、リスクが発生する可能性があるので、現状維持を望むのが至極当然となります。
「統合はいいけど、プロ化は嫌だよ」ってスタンスになります。

【bj所属のプロチーム】

bjは全てプロチームで構成されていますが、レベルはNBLの上です。
bjにとっては、ケンカ別れした経緯と、セカンドリーグと格下に見られ、日本バスケットボール協会から、かなりの冷遇を受けていました。
元々、日本代表選手を選出できなかったわけだから、(※現在は改められた)FIBAの世界大会の出場禁止に痛手はありません。
むしろ、NBL側の方が被害が大きいので、好機となります。
NBLに嫌気がさした優秀な人材が流れてくることになるかもしれません。
そういった物の見方も実際、存在していたと思います。

リーグ統合の際の懸念材料としては、現在のNBL所属のプロチームの二の舞を恐れています。
プロチームは限られた予算で選手を雇い、スポンサーを自分達で見つけ、頑張ってたどり着いた結果、実業団チームにボコボコにされてしまう。
実際、NBL2014-15シーズンでの成績は、実業団6チーム勝率7割以上、プロ7チーム勝率3割以下となります。

実業団チームであれば、成績が悪くても、予算が削られてしまう程度でしょう。
逆に「来シーズンは予算を上げましょう!」って話になるかもしれません。
しかし、まだ地域に根付いていないプロチームが、実業団チームに、前半で試合が決められてしまう惨敗を連発すると、ファンもスポンサーもつかなくなります。
これは球団存続に関わる死活問題となりますね。
よって、「統合するなら全チーム完全プロ化」が条件となります。

【バスケットボール協会】

バスケットボール協会とは、バスケットボールの普及及び振興を図り、選手の育成や強化を目的とした団体です。
バスケットボール協会にとって、一番の理想は、実業団だけのトップリーグが一番安泰でした。
継続さえしてくれれば、盛り上がろうが、どこが優勝しようが、誰かの責任になることはありません。
しかし、完全プロリーグの運営となると、協会にとっても、運営責任が発生します。
現状維持バイアスが働いて、出来ればやりたくないのです、
しかし、不況に伴う実業団の廃部が相次いだので、現状維持すらできません。
改革が必須なぐらい、仕方ない状況に追い込まれています。
※問題は日本で開催された世界バスケの大赤字など色々ですが割愛します。

【川淵チェアマンの登場】

にっちもさっちも行かない状況に業を煮やし、Jリーグの初代チェアマンである川淵三郎氏が、タスクフォースのチェアマン(最終決定者・議長職)に就任しました。
そして、10年かけても解決できなかった統合問題を、わずか半年で統合にこぎつけました。
どうやって、問題を解決したのかはよく分かりません。
恐らく、Jリーグ開幕と同じように、強引に、有無を言わさず進めてきたのでしょう。
しかし、それを実現してしまうのは、「凄い!」としか言いようがありません。

【結論?】

んで、何が言いたいかというと、100年続く老舗は別かもしれませんが、ベンチャー組織は現状維持バイアスを脱却し、運動神経の良い組織を編成しましょう。
って、しみじみと思いました。
統合に関する問題を川淵チェアマンが、どうやって解決していったかを知っている人がいたら是非、教えてください。
ビジネスとして、ネゴシエイターとして、参考になりそうですね。

【今週の試合結果】

2015年34勝11負4冠
8/23(日)COSMOS 94-22 一大BLACKS(江東区準決勝)

次の試合は・・・なんだ?
秋は多すぎて把握ができない!
常に再来週の土日の予定が分からない・・・